考古学的発見

ラノーン市柱神社(ラク・ムアン)――アンダマン海の玄関口・ラノーンの心の拠り所

ラノーン市柱神社とは

ラノーン市柱神社(ラク・ムアン)は、タイ南部・アンダマン海に面するラノーン市の中心部に位置する宗教施設です。1980年代後半に建設され、ラノーン県民の信仰とアイデンティティを象徴する場所として今日まで大切にされています。

立地と周辺環境

神社はラノーン市街の中心にあり、西側は道路に面しています。東側はハット・ソムパン運河(クローン・ロンハット)に隣接し、北側はラノーン病院の敷地、南側はプラヤー・ダムロン・スチャリット・マヒソーン・パックディ記念碑(コー・スー・ジャン)に接しています。標高は海抜約17メートル、山麓に近い平坦な土地に建っています。

水系と地質

周辺にはクローン・ロンハット、クローン・ハット・ソムパン、クローン・ラノーンといった水路が流れ、やがてアンダマン海へと注ぎます。地質的には、東方・北方の火成岩と泥岩からなる山地に由来する堆積岩が分布しています(タイ鉱物資源局、2007年)。

建設の経緯

1862年7月21日、ラーマ4世(モンクット王)はラノーンをバンコク直轄の第四等都市に昇格させました。しかしながら記録によれば、それ以前にラノーンには市柱が存在しなかったことが分かっています。そこでラノーン市は、県民が拝礼できる心の拠り所とすべく、1987年に市柱神社の建設プロジェクトを立ち上げました。

神社が建てられたのは、かつてラノーン総督プラヤー・ラッタナセーティーの邸宅があった土地です。定礎式は1988年2月21日午前9時9分に執り行われました。建設を担ったラノーン市は、タイ芸術院(美術局)に設計の協力と熟練職人の派遣を要請し、伝統的な意匠を再現しています。

1988年9月、当時カペー郡の副郡長だったピン・リムタイソン氏により市柱の製作が始まりました。同氏は篤い信仰心から、自宅(ラノーン県カペー郡カペー町ムー8、家屋番号57)の庭にあった樹齢約100年のラーチャプルーク(ゴールデンシャワー)の木を寄進しました。

1990年7月21日に市柱が完成すると、ラノーン県知事チャレーム・スパーモーン陸軍少将の主宰のもとで納柱の儀式が執り行われました。儀式では、市柱の頂部を神社に納める前に、金箔・太陽の象徴・聖油などを収める伝統的な供物の儀礼が順番に行われました。

そして1990年8月21日、国王陛下のご命により皇太子殿下が臨席し、市柱頂部の納めと市柱神社の落成という一連の儀式中で最も重要な最終儀式が厳かに執り行われました。この際、県の本尊であるプラ・プッタ・ナワラット・ボピット仏および各郡に安置されるその複製仏への開眼法要も併せて行われました。

建築様式

神社はタイ様式の楼閣型の建物で、プラ・ボーロンマタート・チャイヤー(チャイヤーの大塔)の意匠を採り入れた5つの屋根の峰を備えています。中央の峰が最も大きく、左右の塔状部分はやや低くまとめられた、均整の取れた構成が特徴です。地上から屋根の頂部までの高さは13.6メートル、堂内の広さは6×6メートルで、四方に参道の階段が設けられ、それぞれの入口前には小祠が配置されています。

市柱(ラク・ムアン)

市柱は直径27センチメートル、高さ2.7メートルの細身の円柱で、頂部には蓮のつぼみを象る装飾が施されています。現在は柱全体に厚く金箔が貼られ、頂部には花輪が掛けられ、多くの参拝者から信仰を集めています。