考古学的発見

アレクサンドリア図書館は今どこにある?古代最大の図書館の運命と現在地

古代世界で最も有名な知識の殿堂とされるアレクサンドリア図書館。しかし、その場所を地図上で探しても、今日そこに図書館が存在することはありません。

現存する遺跡はない

アレクサンドリア図書館には現在の所在地がありません。この図書館は古代末期(後期古代)に破壊され、失われてしまったからです。エジプトのアレクサンドリア市内に建てられていたと考えられていますが、正確な位置や規模を示す決定的な考古学的証拠は見つかっていません。

破壊の原因は火災か

図書館がどのようにして滅んだのかについては諸説ありますが、火災による破壊が最も有力視されています。中でも可能性が高いとされるのが、西暦391年にセラピス神殿(セラペウム)を焼き払った火災です。当時、ローマ帝国ではキリスト教が国教となり、異教の神殿が次々と閉鎖・破壊されていく時代でした。図書館の蔵書や施設の一部がこの神殿複合体とともに失われたと考えられています。

歴史に残る「失われた図書館」

アレクサンドリア図書館は、プトレマイオス朝時代のヘレニズム期エジプトで設立された、古代最大級の学術機関でした。かつては数十万巻の写本を所蔵したとも伝えられ、ユークリッドやアルキメデスなど多くの学者がここで研究に励みました。その消失は、古代の知識体系にとって計り知れない損失だったとされています。

現代によみがえった「新アレクサンドリア図書館」

興味深いことに、2002年にはエジプト政府と国際的な支援により、この伝説の図書館へのオマージュとして「バビリオテカ・アレクサンドリーナ(新アレクサンドリア図書館)」が地中海沿岸に開館しました。古代の図書館そのものではありませんが、失われた知識の灯を現代に再び灯す象徴として、世界中から訪れる人々を迎えています。