チュニジアとイタリアの研究チームは、津波によって一部が海に飲み込まれた古代都市ネアポリスの遺跡の水中調査に成功しました。

チュニジア・ナブールの沖合で、海底に沈んだ都市の遺跡が発見されました。
考古学調査団の責任者ムニール・ファンタール氏はAFP通信に対し、「これは大きな発見だ。古代に記された記録を裏付けるものだからだ」と説明しました。2017年夏、チュニジア・イタリア共同調査団がナブール沖で実施した調査により、海底に広がる20ヘクタールに及ぶローマ時代の遺跡が確認され、4世紀に発生した津波がネアポリスの一部を呑み込んだという事実が裏付けられたのです。
ガルム生産の一大中心地だった都市
チュニジア国立文化財研究所(INP)とイタリア・サッサリ=オリスタノ大学の共同チームが行った水中調査では、街路や記念碑的な建造物に加え、なんと約100基もの「ガルム」製造用の大型槽が姿を現しました。ガルムとは魚の身と内臓を発酵させて作る調味料で、現代の感覚では少し敬遠されそうな代物ですが、ローマ人にとってはこってりとした濃厚な味わいが魅力の贅沢品でした。
ファンタール氏は「この発見により、ネアポリスがガルム製造と魚の塩漬け加工の一大中心地であり、おそらくローマ世界最大の中心地だったことが確実になった。ネアポリスの名士たちは、間違いなくガルムによって富を築いたのだ」と述べています。高価なこの製品はアンフォラ(双耳壺)に詰められて運ばれ、「地中海のほぼ全域へ輸出され、地域の各都市をつなぐ架け橋となった」と研究者は語ります。
アレクサンドリアやクレタ島にも被害をもたらした大地震
この調査は2010年に開始されました。当初の目的は、水没した都市の港を突き止めることでした。ネアポリスは、ギリシャの歴史家トゥキュディデスが言及したカルタゴの交易拠点としての歴史を持ち、その後ローマ帝国の植民都市へと発展しました。調査開始から7年後、水中調査に適した好条件の気候に恵まれたことで、考古学者たちはついに、チュニジア北東部の町ナブールの海岸すぐ近くに広がる20ヘクタールの遺跡を発見したのです。
調査チームは現在、「ネアポリスがあの大地震に襲われたことは確実だ」と確信しています。歴史家アンミアヌス・マルケリヌスの記録によれば、その地震は西暦365年7月21日に発生し、アレクサンドリアやクレタ島にも甚大な被害をもたらしました。ファンタール氏によると、地震に続いて発生した津波が都市の一部を水没させ、塩漬け加工の活動は他の場所への移転を余儀なくされたといいます。
今日における課題について、ファンタール氏は「最も重要なのは発掘することではなく、これらの遺跡を保存することだ」と強調し、将来の世代に引き継ぐための「考古学的保護区」として守っていくべきだと述べています。