考古学的発見

コスケ洞窟が3Dモデル化へ ― 海面下37mに眠る先史時代の壁画をデジタル保存

1991年に発見された、フランス・マルセイユのカランク(断崖性の入り江)に水没する「コスケ洞窟」。そこには驚くほど美しい先史時代の絵画が眠っています。現在進められている3D計測の成果は、将来的に研究者だけでなく一般の人々にも提供される予定です。

コスケ洞窟が3Dモデル化へ ― 海面下37mに眠る先史時代の壁画をデジタル保存

洞窟はトリペリー・カランク(Calanque de la Triperie)の中に水没しており、地形測量はダイバーと考古学者のチームによって実施されています。

海面下37m、唯一の入口から守られる先史遺産

地中海に面したコスケ洞窟と、その壁を飾る約1万8000年前~2万7000年前の見事な絵画群。ここ数週間、専門家たちによる調査が進められています。3D測量キャンペーンが始動し、一般の立ち入りが禁止されたこの水中洞窟の完全なデジタル記録の作成を目指しています。洞窟内には馬、ノヤギ(アイベックス)、バイソン、メガロケロス(オオツノジカ)、アザラシ、魚類など、500点を超える図像が描かれています。

その目的は、地球温暖化と海面上昇によって脅かされるこの先史時代の至宝をデジタル技術で保存するとともに、長期的な視点で未知の作品が残されていないかを検証することにあります。

洞窟の唯一の入口は水深37メートルに水没しています。モジョー岬近くのカランクに位置するこの洞窟は、1991年、プロダイバーのアンリ・コスケ(Henri Cosquer)によって発見されました。国の史跡に指定された旧石器時代の遺跡が所在する洞窟の陸上部へは、現在は鋼鉄製の扉で封鎖された全長120メートルの狭い水中トンネルを通過して初めてたどり着けます。通行を許されるのは、正式な許可を得た少数の専門家チームのみです。

こうした背景から、2017年10月以降、地域文化庁(Drac)の主導のもと、考古学者とダイバーたちが極めて高精度な地形測量に取り組んでいます。

サブミリメートル精度の計測

調査チームは毎日――少なくとも天候が許す限り――安全上の制限である最大5時間かけて洞窟内を探索します。ダイバー3~4名とエンジニアがまず主室(縦55m×横44m)に入り、続いて第二の部屋(45m×15m)へと進みます。

「これらのデジタル計測データは、原画と同等の再現品質をもって研究者に提供することが可能です」と、この作戦を統括する考古学地域主任キュレーターのグザヴィエ・ドゥレストル(Xavier Delestre)氏は説明します。

専門家たちはこれまで、作業を2つのフェーズに分けて進めてきました。「3Dスキャナーによる測量の第一段階ではセンチメートル単位のメッシュを使用します。しかし壁画作品については、フォトグラメトリー(写真測量)を用いてサブミリメートル級の精度で記録します」と、この調査に参加する水中・海底考古学研究部門(Drassm)の研究者イヴ・ビヨー(Yves Billaud)氏が補足します。

一般公開へ向けた展望

2018年の大半にわたり継続される予定のこのプログラムで取得される画像は、一般向けの広報・啓発活動の基盤としても活用される見込みです。「最終的には、まだ具体的な形式は未定ですが、このデジタルアーカイブをマルセイユ市内で展示することを検討しています」とドゥレストル氏は語ります。