考古学的発見

猫の祖先は農耕民を追ってヨーロッパへ渡ったが、人間の餌に頼ったのはずっと後のことだった

現在のイエネコは、新石器時代の幕開け頃に近東に生息していたヤマネコの遠い子孫であることが分かっています。穀物畑にネズミが集まることを好機と捉えた小型の猫科動物たちは、肥沃な三日月地帯の最初の農耕民たちとともにヨーロッパへ渡りました。しかし最新の研究によると、猫が人間と本格的な絆を結び、その手から餌を受けるようになったのは、驚くほど後になってからのことだったのです。

猫の祖先は農耕民を追ってヨーロッパへ渡ったが、人間の餌に頼ったのはずっと後のことだった

紀元前4200年——古代エジプト文明の勃興以前にさかのぼる、イエネコの祖先(近東原産のヤマネコ)の最古の痕跡が、ポーランドで発見されました。穀物栽培が齧歯類を呼び寄せたことで、これらの小型の猫科動物は農耕民の集団を追ってヨーロッパへ向かったと考えられています。

かつてイエネコの祖先はヨーロッパヤマネコ(Felis silvestris silvestris)だと思われていました。しかし近年の研究で、今まさにあなたのソファで寝息を立てているかもしれない飼い猫(Felis silvestris catus)は、実際にはリビアヤマネコ(Felis silvestris lybica)の子孫であることが明らかになりました。このヤマネコは現在でも北アフリカや小アジア南部に生息しています。穀物の備蓄によってネズミが急増したことに惹かれ、人類最初の農耕民のもとへ集まったこの小型の野生猫科動物は、新石器化が進んだ紀元前6500年頃から、肥沃な三日月地帯からヨーロッパへ移動する人々に同行したとみられています。では、猫は自らの意志で人間についていったのでしょうか。それとも、すでに猫の存在やその恩恵に愛着を抱いていた人間が、猫を連れて旅をしたのでしょうか。

特定が困難だった家畜化の時期

遺伝学の進展により猫の拡散のシナリオは書き換えられてきましたが、その家畜化が実際にいつ起こったのかを確実に特定することは、長らくできませんでした。犬のように人間の手によって大きく姿を変えられた他の動物とは異なり、イエネコは遺伝的に野生のヤマネコに極めて近いため、人間との関係が変化した転換点を見極めるのが難しかったのです。しかし、新しい研究成果がついにこの謎に決着をつけました。ヨーロッパの猫の祖先は、ありふれた室内猫のように人間の荷物に収められて運ばれたのではなく、自らの意志で威厳をもって人間の足跡をたどり、畑の周辺で増えるネズミの恩恵を長い間享受してから、ようやく餌皿の快適さに身を委ねるようになったというのです。この結論を導き出したのはポーランドの生物考古学者マグダレナ・クライチャルツ(Magdalena Krajcarz)氏らの研究チームで、その成果は2020年7月13日に米国科学アカデミー紀要(PNAS)誌に発表されました。

クライチャルツ氏と同僚たちは、ポーランドで出土した新石器時代後期の猫の骨(紀元前4200年~同2300年頃の年代)に含まれる安定同位体を分析しました。これらの骨は、近東から中央ヨーロッパへの猫の移動を裏付ける、現時点で最古の証拠です。猫科動物の食性を解明するため、研究チームはヨーロッパヤマネコを含む34種の関連動物の安定同位体データとの比較を行いました。「この方法により、近東からポーランドに至る最古の猫たちの食性を調べることができました」と研究者は仏科学誌Sciences et Avenirに語っています。「その上で、共棲(シナンスリー)の痕跡を探しました」。共棲とは、動物が「人間の近くに住み、人間が作り出した食料資源を利用して暮らすこと」を指す現象です。

「共生しながらも自由な関係」

分析の結果、近東の猫とヨーロッパの野生のヤマネコの同位体比にはわずかな差しか認められず、当時の両者が同じ生態的ニッチを共有していたことが示唆されました。さらに研究チームは、近東の猫の生態と、ポーランドで確認されている最古の飼い猫(ローマ時代のもの)の生態を比較しました。その結果、人間の農業活動はすでに、新石器時代の猫が主な獲物としていたネズミの同位体組成に影響を及ぼしていたことが分かったのです。

「近東の猫は初期の農耕民についてヨーロッパへ渡った可能性がありますが、彼らはあくまで日和見的な共棲者でした。人間と共生しつつも自由な関係を保ち、食料の面で人間に完全に依存することはなく、在来の野生のヤマネコと同じ生態的ニッチを分かち合っていたのです」

猫と人間の交流を示す最古の記録は、約7500~7200年前にさかのぼります(2004年にScience誌に掲載された論文)。キプロス島で発見された、子供とともに埋葬された猫の墓です。これは明らかに何らかの形で猫が飼い慣らされていたことを物語っていますが、それだけをもって家畜化と断言することはできません。家畜化に関する最古の確固たる証拠が見られるのは、古代エジプトの新王国時代、紀元前1500年頃のことです。