岩石に刻まれた古代の芸術——3つの種類
岩石の表面を削ったり、こすったりすることで作られる像は、大きく分けて「ペトログリフ」「ピクトグラフ」「ジオグリフ」の3種類があります。それぞれ制作方法や見られる場所が異なり、古代の人々の生活や信仰を今に伝える貴重な文化遺産です。
ペトログリフ(岩刻画)
ペトログリフとは、岩の表面を打ち欠いたり、削ったり、擦ったりすることで作られた画像のことです。表現はシンプルな線や幾何学的な図形にとどまらず、人物、動物、植物などを描き出した複雑な場面を表すものもあります。
ペトログリフは、水源の近く、交易路沿い、山岳地帯の峠など、かつて人々が暮らした、あるいは行き来した場所で数多く発見されています。
ピクトグラフ(岩絵)
ピクトグラフはペトログリフとよく似ていますが、岩を削るのではなく、岩の表面に絵具で描く点が大きな違いです。使用される顔料は、炭(すす)、動物の血、植物の汁液といった天然素材から作られていました。
ピクトグラフは、雨風による劣化から守られる洞窟内や岩陰(ロックシェルター)などで多く見つかっています。
ジオグリフ(地上絵)
ジオグリフは、石や土などの素材を地面に並べたり積み上げたりすることで作られる大規模な画像です。有名なナスカの地上絵もこの一種です。シンプルな線や図形から、人物や動物を描いた複雑なデザインまで、その規模と内容は多岐にわたります。
ジオグリフは、植生がほとんどない砂漠などの乾燥地帯に多く見られ、そのため空や遠方からでも視認できるのが特徴です。
まとめ
岩を削って描くのがペトログリフ、絵具で描くのがピクトグラフ、地面に大規模に描くのがジオグリフです。いずれも先史時代の人々の思想や日常を物語る重要な考古学的資料であり、世界各地的に残されています。