考古学的発見

世界初の汎用コンピューター「Z1」はどのくらいの大きさだったのか?

世界初の汎用コンピューター「Z1」とは

史上初めて作られた汎用コンピューターは、ドイツの技術者コンラート・ツーゼ(Konrad Zuse)が設計した「Z1」です。1938年、当時20代半ばだったツーゼが、ベルリンの実家——両親が暮らすアパートの居間を工房代わりにして、ほぼ独力でこの機械を作り上げました。

Z1の大きさ

Z1のサイズはおよそ高さ2メートル、幅1メートル、奥行き0.5メートル。現代のタワー型パソコンとは比べものにならないほど巨大で、まるで背の高いクローゼットのような存在感がありました。資金不足のため市販の部品を十分に購入できず、ツーゼは友人の協力を得ながら、金属板やピンなどを自ら加工して部品を一つひとつ作ったといわれています。そのため完成までには数年の歳月を要しました。

電気を一切使わない画期的な機構

驚くべきことに、Z1には電気部品がほとんど使われていません。動力源は手回し式で、計算の心臓部となる論理演算ユニットは、薄い金属板を精密に組み合わせた純粋な機械式構造でした。それにもかかわらず、2進法によるプログラム可能な計算を実現しており、現代のコンピューターにつながる基本的な考え方をすでに取り入れていた点が高く評価されています。

戦火に消えた先駆的なマシン

残念ながら、Z1の本体は第二次世界大戦中の1943年12月、ベルリンへの空襲によって破壊されてしまいました。しかし、ツーゼの挑戦はそこで終わりませんでした。彼はその後もZ3など、より高性能なコンピューターの開発を続けています。現在ではベルリンのドイツ技術博物館に復元されたZ1が展示され、コンピューター誕生の歴史を今に伝えています。

両親の居間から始まった発明が、今日のIT社会の原点となったことを思えば、Z1の物理的な大きさ以上に、その歴史的意義の大きさが感じられます。