人類の歴史を通じて採掘されたプラチナの総量は、2018年までの時点でおよそ9,300トンと推定されています。この数字は、貴金属の中でも特に希少なプラチナの特性を如実に物語っています。
金と比べればわかるプラチナの希少性
9,300トンという数字だけを見ると大きく感じるかもしれませんが、比較対象となる金属の累計生産量を見ると、その差は歴然です。たとえば金の人類史上の累計生産量は約19万トン、銀に至っては170万トン以上ともいわれています。つまり、プラチナは金のおよそ20分の1以下しか採掘されていないことになります。
仮に歴史上の全プラチナをひとつの立方体にまとめると、一辺が約10メートル程度に収まるという試算もあります。オリンピックの競技プール2つ分にも満たない体積であり、これほど貴重な金属は他に例がありません。
年間の産出量もごくわずか
現在のプラチナの年間新規供給量は、およそ150〜200トン程度にとどまります。これは金の年間産出量(約3,000〜3,500トン)と比べても桁違いに少なく、需要の高まりに対して供給が非常に限られていることを意味します。
プラチナの主な産出国
世界のプラチナ生産の大部分は、次の国々が占めています。
- 南アフリカ: 世界シェアの約70%を誇り、圧倒的な最大産出国です
- ロシア: 第2位の産出国として重要な供給源となっています
- カナダ・ジンバブエなど: その他の産出国として補完的な役割を担います
特定の地域に生産が集中しているため、地政学的リスクや労働問題が供給に直接影響しやすい点も、プラチナ価格の変動要因となっています。
なぜこれほど採掘が難しいのか
プラチナは地殻中における存在濃度が極めて低く、金の含有量が多い鉱山でも鉱石1トンあたり数グラム程度しか含まれていないことが珍しくありません。採掘から精錬までに多大なコストと時間がかかるため、生産量を簡単に増やすことができないのです。
希少だからこそ価値がある
こうした希少性から、プラチナは宝飾品のほかに、自動車の排ガス浄化用触媒、化学工業用触媒、電子部品、医療機器など幅広い分野で不可欠な金属となっています。投資対象としても「希少な実体資産」として注目され続けており、今後もその価値は安定して保たれると考えられます。