考古学的発見

古代の狩猟採集民はいつから農業を始めたのか?地域別に見る農業の起源

古代の狩猟採集民による農業の発展は、地域によって大きく異なり、非常に長い時間をかけて徐々に進んでいきました。早いところでは紀元前12000年頃からすでに作物の栽培を始めていた集団がある一方で、はるかに後になってようやく農業を採り入れた集団もありました。ここでは、狩猟採集民が農耕へと移行した主要な時代と地域を紹介します。

1. 肥沃な三日月地帯(中東)

紀元前12000年頃、現在のイラク、シリア、トルコ、レバノン、イスラエルにあたる肥沃な三日月地帯では、一部の古代の狩猟採集民が小麦、大麦、レンズ豆などの植物の栽培化を始めました。この地域は、世界最古の農業発祥の中心地の一つと広く認められています。

2. 東南アジア

東南アジア、特に現在のタイやベトナムにあたる地域では、早くも紀元前10000年頃から稲作が始まったと考えられています。稲作はその後、これらの地域における農業の中核となっていきました。

3. 中国

中国では紀元前7000年頃、長江流域を中心に農業への移行が始まりました。この時期に稲、アワ、ダイズなどの作物が栽培化され、中国独自の農耕文化が育まれていきました。

4. 中央アメリカ(メソアメリカ)

メソアメリカ(現在のメキシコおよび中央アメリカ)では、紀元前5000年頃からトウモロコシ、インゲン豆、カボチャなどの作物の栽培が始まりました。これらの「三大作物」は、のちにメソアメリカ文明を支える農業体系の基盤となりました。

5. 南米(アンデス地域)

南米のアンデス地域では、紀元前5000年から4000年頃にかけて、ジャガイモ、トマト、唐辛子などが栽培化されました。これらの作物は、標高の高いアンデスの厳しい気候条件に適応したものとして知られています。

6. サブサハラアフリカ

サブサハラアフリカにおける農業の導入時期は、地域によって大きく異なります。サヘル地帯や西アフリカでは紀元前5000年頃にアワやモロコシが栽培されるようになり、西アフリカでは紀元前3000年から2000年の間にヤムイモやアフリカイネなどが栽培化されました。

農業への移行は緩やかな変化だった

注目すべきは、狩すべきは、狩猟採集から農業への移行が突如として起こった変化ではなく、数千年にわたって続いた緩やかなプロセスだったという点です。各々の古代の狩猟採集社会が農業を採用した時期や速度はそれぞれ異なり、環境条件、文化的伝統、そして他の集団との交流といった多様な要因に影響されながら、少しずつ進んでいったのです。