ローマ時代の壮麗な神殿群として名高いバールベック神殿は、中東の国レバノン東部に位置する都市「バールベック」にあります。首都ベイルートから東へ約85km、肥沃なベカー高原の中に広がる考古学遺跡の一帯に、これらの古代神殿は今も堂々と佇んでいます。
バールベック遺跡とは
バールベックは、ローマ帝国の時代に大規模な宗教複合施設として建設された神殿群が残る遺跡です。その壮大な規模と優れた保存状態から、「ローマの太陽の都」とも称されています。巨石を積み上げた基壇や高さ約20mに及ぶ列柱など、古代ローマ建築技術の粋を目の当たりにできる貴重な場所です。
三大神殿:ユピテル・バッカス・ウェヌス
バールベックの神殿複合体は、主に次の3つの神殿で構成されていることで知られています。
- ユピテル(ジュピター)神殿: 遺跡の中心となる最大の神殿で、かつては全長約290mという巨大な聖域でした。現在は一部の柱と基壇が残るのみですが、その威容は圧倒的です。
- バッカス神殿: ローマ建築の中でも最も美しく保存された神殿の一つとされ、壁面にはブドウの収穫など酒神バッカスにまつわる精緻な彫刻が施されています。
- ウェヌス(ヴィーナス)神殿: 小ぶりながらも独特の円形意匠が魅力の神殿で、愛と美の女神に捧げられました。
世界遺産としての価値とアクセス
バールベックは1984年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。毎年夏には国際的な芸術祭「バールベック国際フェスティバル」の会場となることでも有名です。ベイルートからはバスやツアーでアクセスでき、歴史好きならぜひ訪れたい中東有数の観光スポットです。