「ピラミッド」と聞くと、多くの人はエジプトのギザを思い浮かべますが、実はピラミッドは世界各地に存在します。古代エジプトの王墓から中米のマヤ文明の神殿、スーダンのヌビア式ピラミッドまで、その姿かたちは多様です。ここでは、世界で特に有名なピラミッド遺跡を5つの地域に分けてご紹介します。
1. ギザ(エジプト)
ピラミッドといえばまずここ、というほど有名なのがエジプトのギザです。クフ王、カフラー王、メンカウラー王の3人のファラオのために建てられた「ギザの三大ピラミッド」がそびえ立ち、その中でもクフ王の大ピラミッドは古代世界七不思議の中で唯一現存する建造物として知られています。4500年以上の時を経てもなお、その威容は訪れる人々を圧倒します。
2. サッカーラ(エジプト)
カイロの南西に位置するサッカーラには、世界最古とされるピラミッドがあります。紀元前27世紀に建てられたジェセル王の階段ピラミッドで、人類史上初の本格的な石造建築と考えられています。従来の日干しレンガ造りの墓「マスタバ」を何段も積み重ねる形で発展したこの建築様式は、その後のピラミッド造りの原点となりました。
3. ダハシュール(エジプト)
サッカーラのさらに南にあるダハシュールには、複数のピラミッドが残されています。特に有名なのは、紀元前26世紀にスネフェル王によって建てられた「赤のピラミッド」と「屈折ピラミッド」です。屈折ピラミッドは建設途中で傾斜角が変更された珍しい形状を持ち、試行錯誤の末に完成したのが真のピラミッド型となる赤のピラミッドだと言われています。
4. メソアメリカのマヤ・ピラミッド
中米のメソアメリカでは、マヤやテオティワカンなどの諸文明が、宗教儀礼や埋葬のために段状・テラス状のピラミッドを数多く築きました。これらはエジプトのような王墓というより、神殿の基壇としての役割が強いのが特徴です。メキシコ、グアテマラ、ベリーズ、ホンジュラスなどに分布しており、チチェン・イッツァの「カスティージョ」、ウシュマル、ティカル、そして巨大な太陽のピラミッドと月のピラミッドで知られるテオティワカンなどが代表的な遺跡として挙げられます。
5. メロエ(スーダン)
現在のスーダンに位置する古代都市メロエは、クシュ王国の首都でした。ここには紀元前300年頃から紀元後350年頃にかけて建てられた大小200近くのピラミッド群が広がっており、その数はエジプト全体より多いとも言われます。エジプトのピラミッドに比べて小型で急勾配なのが特徴で、黒いピラミッドとも呼ばれ、独特の美しさを持っています。
このように、ピラミッドはエジプトだけのものではなく、時代も目的も異なるさまざまな文明によって生み出されました。それぞれの遺跡には独自の歴史と文化が息づいており、訪れてみると新たな発見があるはずです。