歴史上の人物

メリト・プタハ:歴史上最初の女性医師

古代エジプトの医師メリト・プタハ(紀元前27世紀)は、歴史上「医師」としてその名が記録された最初の女性です。

「プタハに愛されし者」

メリト・プタハは、古代エジプト古王国時代の第3王朝(紀元前27世紀)に活躍した医師です。彼女の名前は「神プタハに愛される者」を意味しており、プタハは職人や建築家を守護する神として知られています。

彼女について分かっていることは、メンフィス地方のネクロポリス(墓地遺跡)に残された記録によるものです。墓碑銘には、彼女の息子である大祭司が母の名を刻み、彼女を「主任医師」として紹介しています。この称号は、メリト・プタハが重要な地位に就き、他の医師たちを統括しながら、ファラオ自身の診療にも携わっていたことを示唆しています。この碑文のおかげで、彼女は今日まで名前が伝わる世界最古の医師となっているのです。

古代エジプトの女性医師たち

古代エジプトの医師の大多数は男性でしたが、史料に名を残す女性はメリト・プタハだけではありません。史料によれば、紀元前3000年頃には、サイスのネイト神殿の近くに、一人の女性(名前は不明)が運営する医学学校が存在していたと考えられています。

さらに第4王朝から第5王朝の時代には、ペセシェトという別の女性が登場します。彼女は「女性医師の監督者」という称号を持つ、歴史上最初期の女性医師の一人です。また、聖書の「出エジプト記」には、当時のエジプトに助産師が存在していたことも記されており、医療の分野で女性が重要な役割を果たしていたことがうかがえます。