歴史上の人物

ナチスによる「デスマーチ」の3つの目的とは?

デスマーチ(死の行進)とは

デスマーチ(死の行進)とは、第二次世界大戦末期の1944年冬から1945年にかけて、ナチス・ドイツが強制収容所の囚人に対して行った強制移動のことです。連合軍が東西からドイツ本国に迫る中、SSは収容所の証拠隠滅と囚人の管理を目的として、数十万人もの囚人を徒歩や貨物列車で移動させました。この過程で、多くの囚人が飢え、極寒、病気、あるいは見せしめの銃撃によって命を落としました。

デスマーチの3つの目的

1. 連合軍や民間人が到着する前に、残されたユダヤ人やその他の囚人を収容所から移動させること

ナチス政権は、収容所の実態や大量虐殺の証拠が連合軍や地元住民の目に触れることを強く恐れていました。そのため、解放が迫った収容所から囚人を急いで移送し、自らの犯罪の痕跡を隠蔽しようとしたのです。

2. 囚人を他の強制収容所へ移送すること

前線が近づいた収容所から、ドイツ内部のより後方にある収容所へ囚人を移すことが図られました。しかし、輸送手段も食料も極めて乏しく、移送の過程そのものが多くの犠牲者を生み出しました。

3. 労働に適さない囚人を排除すること

疲れ果てて歩けなくなった者、病気や負傷を負った者は「労働力として価値がない」とみなされ、その場で射殺されるか、置き去りにされました。囚人にとって、生き延びるためには過酷な行進についていくしか方法がありませんでした。

まとめ

デスマーチの目的は、「証拠隠滅」「囚人の移送」「労働不能者の排除」という3点に集約されます。その結果、1945年1月以降のわずか数か月間だけで数十万人の囚人が死亡したと推定されており、デスマーチはホロコーストおよびナチスの強制収容所体制における最も悲劇的な一章となっています。