日付のないリンカーン1セント硬貨とは?
アメリカで発行されているリンカーン1セント硬貨の中には、表面の発行年(日付)が刻まれていないものが存在します。一見すると貴重なエラー貨幣のように思えますが、実はコレクター市場では決して珍しい存在ではなく、手頃な価格で取引されています。
なぜ日付がない硬貨が生まれるのか
日付のないリンカーンセントが生まれる主な原因は、次の2つです。
1. 長年の流通による摩耗
硬貨は長い間流通するうちに表面がすり減ります。リンカーン1セントの場合、日付の刻印は他の部分より浅いため、摩耗によって真っ先に消えてしまうことが少なくありません。
2. 金型へのグリース詰まり(フィルドダイ)
造幣局で硬貨を打ち出す際、金型(ダイ)の細かな溝にグリースや汚れが詰まると、その部分が正しく転写されず、日付の抜けた硬貨が生まれることがあります。この種のミスは意図的に起こされたものではなく、製造工程で偶然発生するものです。
第二次世界大戦とリンカーンセントの関係
なお、1943年には戦時中の銅不足を補うため、リンカーンセントが亜鉛メッキの鋼鉄製で鋳造されるという有名な変更がありました。この時代の硬貨は特別な歴史的背景を持つことから、収集対象として今も人気があります。ただし、「日付がない」こと自体の主な原因は、上述の摩耗や金型のトラブルです。
日付のないリンカーンセントの価値
日付のないリンカーンセントは発生数が多いため、高額で売買されることはほとんどありません。おおよその相場は以下の通りです。
- 良品(パティナのある状態):オンライン相場でおよそ5ドル前後
- 非常に良い状態(Very Good+)以上:およそ8ドル程度まで
保存状態が良いほど、また趣のある緑青(パティナ)が残っているほど、やや高めに評価される傾向があります。
まとめ
日付のないリンカーン1セント硬貨は、摩耗や金型のトラブルによって生まれたもので、造幣局が意図的に作り出したものではありません。発生数が多く価値は限定的ですが、5〜8ドル程度で取引されることもあり、硬貨収集の入門品として手頃な存在といえるでしょう。