歴史クイズ

タイタニック号のボイラーはどこにあった?船体下部の配置とその役割

RMSタイタニック号のボイラー室は、船体の最下部に近い下層デッキに設置されていました。具体的には、船体中央部よりやや船首側にあたる区画5から11にかけての範囲に、合計6つのボイラー室(ボイラールーム1〜6)が配置されていました。

29基の巨大なボイラー

タイタニック号には、直径約4.8メートル、長さ約6メートルにも及ぶ巨大なスコッチ式石炭焚きボイラーが、合計29基搭載されていました。

  • 両端式(ダブルエンデッド)ボイラー: 24基 ― 前後に燃焼室を備え、1基あたり6つの火室を持つ大型タイプ
  • 片端式(シングルエンデッド)ボイラー: 5基 ― 最も後方のボイラー室1に集中して設置された小型タイプ

これらすべてのボイラーを合わせると、火室(ファーネス)の総数は実に159に達し、発生する蒸気の圧力は毎平方インチあたり約215ポンドという高出力なものでした。

ボイラーの役割 ― 蒸気で船を動かす

ボイラーの主な役割は、石炭を燃焼させて大量の蒸気を発生させ、その蒸気圧によって船のエンジンを駆動することでした。タイタニック号の場合、発生した蒸気は以下の動力装置へ送られました。

  1. 往復動レシプロ機関2基: 各15,000馬力で、左右の翼型プロペラを回転させました。
  2. ローパータービン1基: 機関を出た蒸気を再利用して約16,000馬力を生み出し、中央のプロペラを駆動しました。

この3軸4枚翼のプロペラ構成により、タイタニック号は約23ノットという当時としては高速での航行を可能にしていました。

過酷な環境で働く機関員たち

ボイラー室では、1日あたりおよそ650トンの石炭を消費していました。そのため、176人の機関員(ストーカー)が三交代制で、摂氏50度近くまで上昇することもある高温多湿の環境の中で、休みなく石炭を炉に投げ込み続けていたといわれています。

沈没との関わり

1912年4月14日の夜、タイタニック号が氷山と衝突した際、最初に損傷を受けたのは最も前方に位置するボイラー室6でした。氷山の衝撃により船首側の区画に海水が流れ込み、これが沈没の発端となりました。また、出航前にはボイラー室付近で石炭火災が発生していたことも、近年の調査で指摘されています。