歴史物語

スラヴ神話の三大元素――水・火・風に宿る豊穣と信仰の世界

スラヴ人の間で、自然の元素への崇拝は豊穣崇拝と密接に結びついていた。だからこそ彼らは、風が妊娠をもたらす原因となり、水が女性に出産を促し、火が常に潤う大地の母の花婿であると信じていたのである。

水 ―― 生と死を司る元素

水は古来、魔術的な力が宿るとされてきた主要な元素の一つであり、古代スラヴ人もまた例外ではなかった。水には、病を癒し、幸運をもたらし、穢れを清め、力を与える働きがあると信じられていた。

共同の入浴、水の中での性行為、バケツ一杯の水による占い、湯船の中での出産などが実際に行われていたことが知られている。人々は、水の元素が自分たちを不運から守ってくれると確信していたのだ。

たとえば、作物を枯らしかねない酷暑と日照りが続いたとき、人々は川辺で乱痴気騒ぎを繰り広げた。これは自然を目覚めさせ、雨と灌漑の必要性を思い出させるためだった。水が何らかの形で大地を受胎させ、実らせるならば、女性に対しても同じような効果を持つはずだ――そう考えられたのである。

日照りの際には、若い娘に水をかける習慣もあった。娘の若い肢体に水が降り注ぐように、若く瑞々しい春の大地にも雨が降りますように、という願いを込めてのことだった。聖水を用いた他の儀礼としては、バケツの水による占いがあり、これは罪を犯したと疑われる者に対する一種の神判(裁き)の性格を持っていた。

スラヴ神話の三大元素――水・火・風に宿る豊穣と信仰の世界

スラヴ神話には、原初の大海たる水から人間界(大地)が創造されたという記述も残されている。

祭司(ジェルツァ)は「水を読む」術を心得ており、その託宣を解き明かした。加えて、洗浄や飲用に適したいわゆる「生きた水」を用意するのも彼の務めだった。水は生と死の両方の象徴であった。それゆえ、水の神々には数多くの供犠が捧げられたのである。

ルーシ地方の伝承では、ペルーンとヴェレスが世界を創造したと語られる。ペルーンは舟に乗り、ヴェレスは水底に潜って砂をひとつかみ引き上げ、ペルーンがその砂から大地を作ったという。また、大水の彼方には死者の国ナウィア、すなわちあの世が広がっているとも信じられていた。

興味深いことに、火は水では消すことができず、乳か砂によってのみ鎮火できるとされた。ポラーブ・スラヴ人の間には、災いが迫ると血の色に変わるという占いの湖まで存在したのである。

火 ―― 神の賜物、再生の象徴

火は神の顕現であり、神からの贈り物であると考えられていた。火があれば、家を暖め、肉を焼き、耕作のために森を焼き払い、悪しき力を呼び寄せる闇を照らすことができる。さらに、稲妻という姿をとる神聖な火は、春に大地を受胎させ、芽吹かせるものとされた。

雷の神は、スラヴ人に限らず広く、生命の授け手であると同時に、永遠に潤う大地の母の花婿として捉えられていた。火の熱が情熱や欲望と結びつけられているのは現代も変わらない。「愛の炎」「体温」「熱い想い」「燃えるような気性」「瞳のきらめき」――こうした表現は今も生き続けている。

火と水という二つの元素の戯れは、夏至の儀礼(クパルノツキ、ソボトキ)をはじめ、スラヴの民間行事や儀式に欠かせない要素だった。火はいうまでもなく男性的な神の象徴であり、男性と結びつけられた。一方、水は女性的な元素であり、女性性(興奮の証としての潤い、羊水、母乳など)と結びつけられたのである。

ご存じのとおり、異教時代のスラヴ人は死者を薪の上で火葬した。炎によって魂を肉体から解放し、あの世へ送り出せるようにするためだ。焼かれないままの死体は、苦悶する魂の牢獄となり、正しい埋葬すなわち火葬を求めて人々に取り憑くとされた。だからこそ、火を恐れる無数の悪魔や吸血鬼、ストリゴイにまつわる民間信仰が生まれたのである。後の時代になると、そうした化け物は聖水をも恐れるようになったと考えられるようになった。

スラヴ神話の三大元素――水・火・風に宿る豊穣と信仰の世界

夜の怪しい灯りは、うかつな者を沼地や人里離れた林の奥へ誘い込んだ。また、火の龍は女たちと交わって、ユナク(英雄)たちを生んだという。火は水と同じく浄化の力を持っていた。それゆえ、多くの宴や儀式では、人々は火の上を飛び越え、家畜を火の間に通し、小屋を煙で燻し、あらゆる穢れた品を炎に投げ込んで焼き払った。

少なくとも年に四度、冬至・夏至・春分・秋分の日には、いわゆる「生きた火」が作られた。これは二本の木片を擦り合わせるという特別な方法で起こされた。その際、すべての家や建物の古い火は消され、集落の中央の火から新しい火が分け与えられた。疫病や共同体を襲う重大な災厄の際にも、同じことが行われた。

こうして火は再生の象徴ともなった。伝説によれば、スラヴの火の鳥ジャルプタクは不死鳥のごとく灰の中から蘇るという。古くは、集落や神殿の中央の火は絶やさぬよう見張りが置かれていた。これはゾロアスター教など他の宗教にも見られる類似の習慣である。火の番を怠れば、死刑に処されることさえあったのだ。

風 ―― 魂を運ぶ疾走

風は移ろいやすさを象徴した。それは魂の群れ、野性的な疾走(ワイルド・ハント)として捉えられていた。鳥のような空を飛ぶ生き物は魂の運び手であり、春に舞い戻るときには再生の象徴となった。そこで風の守護神とされたのがストリボグ、すなわち三つの世界をつなぐ存在である。

恋愛の象徴体系においては、「飛ぶこと」は不貞と結びつけられた。「花から花へ渡り歩く」という言い回しや、絶えず新しい快楽を求め歩く悪魔的な情人ラタヴィエツの伝説、そしておもに不義の者を苛むというストリゴイの話は、その名残である。

スラヴ神話の三大元素――水・火・風に宿る豊穣と信仰の世界

前述のとおり、かつて一部のスラヴ民族は、新しい魂を運ぶのは風であり、風こそが妊娠の原因であるとさえ信じていた。これを笑うべきではない。キリスト教圏でも、同じような役割は土地によって雨や花、鳥、あるいはその他の説明しがたい現象に担われていたのだから。

元素崇拝が豊穣崇拝と密接に結びついていたことは、ここまで見てきたとおりである。豊穣と繁栄をもたらし、神聖な力とみなされた元素を統べる神々への信仰こそが、異教時代のスラヴにおける礼拝の根幹だった。風の神々には、おもに船乗りたちが航海中の好天を祈って捧げものをした。ストリボグのほか、海の状態を司ったのは、ポメラニアとポラービエ地方で知られるトリグラフ、そしてルーシや南スラヴ地域ではトロヤンと呼ばれる神だとされた。

出典

本稿は、トマシュ・コシンスキ著『スラヴ人のエロティックな生活』(ベローナ出版刊)からの抜粋である。