歴史物語

リモートセンシングが変える考古学――土を掘らずに遺跡を「見る」最先端技術

インディ・ジョーンズを思わせる考古学者たちが、歯ブラシ片手に何ヶ月もかけて丁寧に発掘作業を続ける――かつての考古学は、確かに職人的な手作業の世界でした。しかし時代は変わり、今や考古学はハイテクとの融合を進めています。さまざまな分野から生まれた革新的な調査手法が、考古学の技術の裾野を大きく広げつつあります。

オランダ・リンブルフ州の空に、特別な任務を帯びた小型飛行機が浮かんでいます。その任務とは、ヘネペルハウス周辺の防衛線を突き止めること。特殊なカメラが次々と風景を撮影していきます。「何だ、Googleもやっていることじゃないか」と思うかもしれません。ところが、このカメラが捉えるのは、私たちの肉眼では見えないもの――樹木や植物が放つ近赤外線なのです。飛行機が無事に地上へ戻ると、撮影された画像はコンピュータで解析されます。色鮮やかな風景写真の中に、防衛線の曲がりくねったパターンが浮かび上がります。シャベルを一切使わずに、考古学的痕跡が見つかったのです。

考古学における事前調査

考古学者はどうやって正確に発掘場所を見つけ出すのか――それは昔から人々の想像力をかき立ててきた問いです。通常、発掘調査の前には、アーカイブや歴史文書を調べる綿密な「デスクリサーチ」が行われます。その後、現地に出向いてボーリング調査を実施します。考古学者は一定間隔でドリルを地面に差し込み、想定される遺構の存在を確認または否定するのです。ただし、このボーリング調査はかなり労働集約的であり、考古学的痕跡を見逃してしまうこともあります。「リモートセンシング」(直訳すると「遠隔からの観測」)を活用すれば、こうした事前調査を格段に効率的に進められる可能性があります。

マルチスペクトル航空撮影

では、航空写真をもとに、どうすれば地中の考古学的痕跡を可視化できるのでしょうか。仕組みはこうです。樹木や植物は、「近赤外線」と呼ばれる目に見えない光を放出しています。仮に土壌が極端に乾燥していたり、逆に湿りすぎていたりすると、そこに生育する植物が放つ近赤外線の性質に影響が及びます。また、例えば地中の遺構が根の生育を妨げているなど、植物の根に十分な成長スペースがない場合も、植物が放つ近赤外線に変化が現れます。こうして植生にパターンが生じるため、調査の早い段階で考古学的痕跡を発見できるのです。

「マルチスペクトル航空撮影は、考古学者による試掘ボーリング調査に取って代わるものではありません。あくまで考古学の事前調査を効率化するためのものです」と、リモートセンシング技術を専門とする企業VB Ecoflightのリック・ガウハラリ氏は強調します。「特に広範囲を調査しなければならない場合、マルチスペクトル航空撮影は、狙いを定めたボーリング調査の計画立案に役立ち、大面積を調査対象から除外することにもつながります」。

ただし、この手法には留意点もあります。もし対象の植物の根が浅く、一方で考古学的遺構が深い位置にある場合はどうなるのでしょうか。「その場合、マルチスペクトル写真に変色は映りません」とリック氏は言います。「しかし、状況ごとに適したアプローチが必要です。探している遺構の性質がわかれば、どのリモートセンシング技術が最適かも自ずと見えてくるのです」。

LIDARとレーダー

さらに技術的な恩恵は、空からもたらされます。マルチスペクトル航空撮影に使われる同じ航空機に、LIDAR(ライダー)を搭載することもできます。この技術は「レーザー測高」とも呼ばれ、レーザー光線を使用します。レーザーが地表に向けてパルスを発射し、送信から受信までの時間を極めて正確に測定すれば、航空機と地表の距離を計算できます。航空機の高度を考慮に入れれば、地表の立体的な形状を算出できるのです。その精度は15センチメートルに達します。

考古学者はこの技術を、例えば小川の流路パターンや古い水路の検出に活用できます。これは純粋に土地の高低差の問題であり、現地に立っていては気づきにくい微細な起伏を読み取れるのが大きな強みです。

ただしLIDARにも弱点があります。レーザーパルスは木々の葉を完全には通過できず、葉が信号を弱めてしまうのです。この現象は「レーザーシャドウ」と呼ばれます。このため、樹木の下にあるものをはっきりと見ることができません。「その解決策となるのがレーダー技術です」とリック氏は言います。「レーダーもほぼ同じ仕組みですが、電波を使います。この電波は木を『透視』できるのです。ただし、この技術はオランダではまだ完全に確立されていません」。

地球物理学的な探査手法

リモートセンシングは、必ずしも高い場所からの観測に限られるわけではありません。「もちろん、リモートセンシングの定義にもよりますが」とリック氏は笑います。「地球物理学には、私の考えではリモートセンシングに含まれる手法がありますが、それらは空中ではなく、地面の上で行われるものです。例えば『地下レーダー探査(GPR)』、『土壌比抵抗測定』、『放射能測定』(後者の2つはどちらも土はどちらも土壌の組成を測定します)などです。先述の空中からの技術と同様、関心のある現象を直接測定するのではなく、まず近距離からデータを取得し、解析を経て初めて現象を解釈することになります」。

土のアーカイブを守る

リモートセンシングは、土のアーカイブ(土層が記録する貴重な過去の情報)を乱すことなく、地中を覗き見ることを可能にします。発掘の最大の欠点は、一度しか行えないという点です。シャベルを地面に入れた瞬間、古代の考古学的痕跡の層を破壊してしまうからです。地面を掘り返すだけでなく、土層が日光、酸素、細菌に接触して劣化してしまうことも原因です。そのため政府の方針は、考古遺産を可能な限り地中に残しておくこと(現状保存・conservation in situ)です。将来、より優れた発掘技術が登場するまで、これが最良の保存方法なのです。

考古学の事前調査の効率化に加えて、リモートセンシングにはもう一つの大きな利点があります。それは、土のアーカイブが手つかずのまま保たれることです。掘削を一切行わずに、これらの技術によって、潜在する考古学的痕跡についての判断を下せるのです。完璧な保存状態を損なうことなく、地面の中を覗き見ることができるのです。

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