歴史物語

ネフェルティティの胸像:古代エジプト女王が放つ高貴なる美

ネフェルティティの胸像:古代エジプト女王が放つ高貴なる美

古代史上最も美しい女性像の一つ

掲載の画像に映っているのは、古代史上でも指折りの美しさを誇る女性胸像です。その顔立ちこそ、古代エジプト第18王朝(紀元前1370年〜紀元前1330年頃)の女王、ネフェルティティの完璧な姿をとらえたものです。

この彫刻はあまりにも精巧で、保存状態も見事であるため、その真贋について疑問の声が上がったことさえあります。それほどまでに完成度の高い作品なのです。

完璧さを極めた女王の顔立ち

作品とそこに描かれた顔を、じっくりと観察してみてください。

肌は滑らかで引き締まり、均一な質感をたたえています。大きく縦長の瞳には完璧なアイメイクが施され、眉は濃く、くっきりと描き込まれています。鼻筋は通って細く、口紅によって引き立てられた肉厚の唇は、穏やかで気品ある微笑みを浮かべているかのようです。

私たちを魅了してやまないのは、何よりもこの顔から漂う、高貴でほとんど幽玄ともいえる優雅さでしょう。

彩色された石灰岩と鮮やかな色彩の秘密

像の全高は47センチメートルで、彩色された石灰岩で造られています。古代エジプト美術特有の、力強く鮮やかな色彩が用いられています。

これらの顔料は天然の鉱物から作り出されました。鮮やかな青は銅や鉄の酸化物から、ピンク色はヒ素の硫化物から、黄色は銅化合物から、明るい緑は銅から、黒は炭から、そして純白は石膏からそれぞれ得られました。

ベルリン新博物館に展示される傑作

この胸像は現在、ドイツのベルリン新博物館(Neues Museum)に所蔵・展示されています。しかし、エジプト政府は長年にわたりこの文化財の返還を求め続けており、その帰属をめぐっては今なお国際的な議論が続いています。