歴史物語

アピキウス直伝!古代ローマの魚醤「ガルム」の臭みを消し、香り豊かにする方法

アピキウス直伝!古代ローマの魚醤「ガルム」の臭みを消し、香り豊かにする方法

魚は、古代ローマの調味料「ガルム」を作るうえで欠かせない基本素材でした。そして料理人アピキウスは、このガルムをより香りよく仕上げる方法をも伝えています。

ガルム(リクアメン)とは何か

ご存じのとおり、ガルム(Garum)、別名リクアメン(Liquamen)は、古代ローマ人に最も愛されたソースでした。ローマの人々は、あらゆる料理にこれをふりかけていたといわれています。

数種類の魚を塩漬けにし、長時間マセレーション(浸出・熟成)させて作られるこのソース。幅広く使われていたことからも分かるように、その味自体は決して悪くなかったと考えられます。しかし問題は香りでした。ガルムのにおいは「強烈に辛辣で鼻をつく」と表現されるほど刺激的で、決して良いものとは言えなかったのです。

アピキウスが残した香りの工夫

そんなガルムの臭いの悩みに対して、1世紀に活躍した偉大な料理人アピキウス(Apicius)は、貴重な解決策を提案しています。彼によれば、ちょっとした工夫次第で、ガルムのにおいは十分に抑えられたのです。

糸杉と月桂樹の葉で燻す

アピキウスが勧めたのは、まずガルムを入れていた壺を空にし、その内側を糸杉(サイプレス)と月桂樹の葉で燻すという方法です。その後、ソースを再び壺に戻せば完成です。容器に木の清々しい香りを移すことで、魚醤特有の強い臭いを和らげようという発想ですね。

蜂蜜でまろやかさをプラス

また、味に甘みを加え、酸っぱさをいくらか抑えたい場合には、少量の蜂蜜を加えるのがよいとされています。蜂蜜は古代ローマの料理において、まさに何にでも使われた万能食材の一つでした。

臭いの対策から味の調整まで、現代の私たちでも参考になる知恵が詰まっています。2000年前のグルメの工夫、なかなか興味深いものではありませんか。