歴史物語

バスティーユ牢獄の石片から生まれた宝石――革命を「おしゃれ」で楽しむ貴婦人たち

バスティーユ牢獄の石片から生まれた宝石――革命を「おしゃれ」で楽しむ貴婦人たち

牢獄の石が宝石に変わった時代

写真は18世紀の貴婦人です。1789年7月14日以降、フランスの一部の女性たちは、崩されたバスティーユ牢獄の石片を使って、宝石を作らせていました。

フランス革命の幕開けとなったバスティーユ襲撃

バスティーユ襲撃は、フランス革命の始まりを公式に告げる出来事とされています。王権の象徴だったこの牢獄の陥落は、それまでの社会秩序の多くを塗り替えることになる、時代を画する重大な転換点でした。

ところが当時の人々の少なくとも一部は、その歴史的意義を十分には理解しておらず、少なくとも即座には実感できなかったようです。

革命の重みより「ファッション」を優先した貴婦人たち

なかでも印象的なのは、当時の一部の貴婦人たちの軽やかな態度です。彼女たちは事態の深刻さを過小評価し、その本当の意味を汲み取らないまま、ひるむことなく外見やファッションだけに関心を向け続けました。

こうして、バスティーユ牢獄の石片は、指輪やイヤリングへと姿を変えたのです。

「ア・ラ・コンスティチュシオン」と呼ばれた宝石

こうした宝石は「ア・ラ・コンスティチュシオン(憲法にちなんで)」と呼ばれました。

実は、バスティーユの石は記念品として大いに人気があり、牢獄のミニチュア模型や小さな彫刻なども盛んに作られました。革命の石片を身につけることは、単なる流行にとどまらず、新しい時代への賛意を示す一種の「政治的アクセサリー」でもあったのです。