歴史物語

マリー・アントワネットと側近たちの強制ダイエット ― 宮廷を騒がせたインド料理の逸話

マリー・アントワネットと側近たちの強制ダイエット ― 宮廷を騒がせたインド料理の逸話

宮廷での食事風景。異国の珍しい料理と香辛料をふんだんに使った一皿が、マリー・アントワネットと貴族たちに数日間の「強制ダイエット」をもたらした。

質素だった王妃の日常の食卓

マリー・アントワネット王妃は、実は日頃から食べる量が少ないことで知られていた。しかしその一方で、彼女には好奇心旺盛な美食家の一面もあり、ときおり新しい味わいを試したり、外国の料理の風味を探求したりするのが大好きだった。それは単なる個人的な楽しみだけでなく、宮廷に招いた賓客へのもてなしの一環としても行われていたのである。

インド大使たちがもたらした「本場の味」

そんな折、インドの大使たちが宮廷を訪問した。これが絶好の機会となり、王妃は彼らの伝統的な煮込み料理を試してみることにした。料理を担当したのは、大使たちに随行してきた奴隷たちである。彼らの熟。彼らの熟練した手によって、遠い異国インドの味が宮廷の食卓に再現されたのだ。

大成功の裏で待っていた思いがけない「代償」

それまで宮廷ではまったく知られていなかったこれらの異国料理は、食卓に上るや否や大きな評判を呼び、たちまち成功を収めた。ところが、喜びもつかの間、思わぬ事態が発生する。唐辛子やカレーといった刺激の強い香辛料に慣れていないヨーロッパ人の胃腸には、この料理がこたえてしまったのだ。

こうして王妃とその貴族の友人たちは、数日間にわたる強制ダイエットを余儀なくされることとなった。異国文化への純粋な好奇心がもたらした、ちょっとした「報い」だったのである。