歴史物語

ヒンデンブルク号にはかぎ十字(ハーケンクロイツ)が描かれていたのか?

ヒンデンブルク号にハーケンクロイツはあったのか?

結論から言うと、はい。ヒンデンブルク号(LZ 129 Hindenburg)の垂直尾翼には、ハーケンクロイツ(かぎ十字)が大きく描かれていました。左右両側の尾翼にそれぞれ約6メートルもの大きさで描かれ、飛行船が大西洋上を飛行する際にも、遠くからはっきりと識別できるようになっていました。

なぜかぎ十字が描かれていたのか

当時のドイツはナチス政権の統治下にあり、ハーケンクロイツはナチ党そして国家そのものの象徴でした。ヒンデンブルク号は1936年に就航した国営の旅客用飛行船であり、ドイツの技術力と国威を世界に誇示する国家的プロジェクトだったため、尾翼へのハーケンクロイツの掲示は事実上義務付けられていました。

乗客たちの反応

この強制的なシンボルの掲示に対して、乗客の中には不快感を覚える者もいたと伝えられています。特にアメリカへ向かう便では、着陸時にナチスの象徴が目立つことへの懸念の声もありました。こうした背景から、ヒンデンブルク号は政治的宣伝色の強い飛行船として、多くの人々に複雑な印象を与えていました。

悲劇的な最期

ヒンデンブルク号は1937年5月6日、アメリカ・ニュージャージー州レイクハーストへの着陸態勢に入った瞬間に爆発炎上し、36名が犠牲となりました。この悲劇によって大型旅客飛行船の時代は事実上終焉を迎え、ハーケンクロイツを掲げて空を飛んだ巨大飛行船の姿は、歴史の中に残ることとなりました。