歴史物語

1998年に何が起きた?世界と日本を動かした歴史的出来事を総まとめ

1998年は、国際政治、経済、スポーツ、科学技術など幅広い分野で歴史に残る出来事が相次いだ年です。北アイルランド和平合意やインドの核実験、フランスW杯、そして日本では長野冬季五輪が開催されるなど、20世紀の終わりを象徴する激動の一年となりました。ここでは、1998年の主要な出来事を分野別に振り返ります。

国際政治・紛争の転換点

グッドフライデー合意(4月10日)

北アイルランド紛争(ザ・トラブルズ)の終結に向け、「ベルファスト合意」とも呼ばれるグッドフライデー合意が調印されました。数十年にわたる宗派間対立に終止符を打つ道筋をつけた、歴史的な合意です。

インド・パキスタンの核実験(5月)

5月11日、インドがポカランで地下核実験を強行し、国際社会から強い非難を受けました。これに対抗してパキスタンも同月末に核実験を実施し、南アジアの緊張が一気に高まりました。

スハルト大統領の退陣(5月21日)

アジア通貨危機による経済混乱と大規模な反政府デモの中、約32年間政権を握ってきたインドネシアのスハルト大統領が辞任しました。

国際刑事裁判所規程の採択(7月17日)

ローマで開かれた外交会議において、戦争犯罪や人道に対する罪、ジェノサイドなどを裁く国際刑事裁判所(ICC)設立のための「ローマ規程」が採択されました。

米大使館同時爆破テロと報復攻撃(8月)

8月7日、国際テロ組織アルカイダがケニア・ナイロビとタンザニア・ダルエスサラームの米国大使館をほぼ同時に爆破し、200人以上が犠牲になりました。米国は同月中旬、報復としてアフガニスタンの訓練キャンプとスーダンの工場へミサイル攻撃を実施しています。

クリントン大統領の弾劾訴追(12月19日)

モニカ・レウィンスキー氏との不適切な関係をめぐる疑惑が9月に表面化すると、米下院は12月19日、ビル・クリントン大統領の弾劾訴追を決議しました。上院では有罪決議に至らず任期は全うしましたが、米国政治に大きな混乱をもたらしました。

イラクへの空爆(12月)

国連武器査察への協力を拒否したイラクに対し、米英両軍は12月16日から「デザート・フォックス作戦」として大規模な空爆を実施しました。

経済危機と金融システムの揺らぎ

アジア通貨危機の深化

前年から続いたアジア通貨危機は1998年も各国経済を直撃しました。韓国はIMF(国際通貨基金)による大規模な支援融資と引き換えに構造改革を進め、インドネシアでは通貨暴落が政権交代の一因となりました。

日本の金融危機

日本では10月、日本長期信用銀行が特別公的管理(国有化)の対象となるなど金融不安が広がりました。同年には金融再生法が成立し、不良債権処理への本格的な取り組みが始まっています。

LTCMの破綻(9月)

米大手ヘッジファンドのLTCM(ロングターム・キャピタル・マネジメント)が経営破綻し、世界的な金融市場に衝撃を与えました。

スポーツの祭典

長野冬季五輪(2月7日〜22日)

日本・長野で冬季オリンピックが開催されました。スキージャンプの船木和喜選手やスピードスケートの清水宏保選手が金メダルを獲得し、日本中が熱狂に包まれました。

FIFAワールドカップ・フランス大会(6月〜7月)

6月10日に開幕した1998年FIFAワールドカップは、地元フランスが決勝でブラジルを3対0で破り、初優勝を果たしました。日本代表も初出場を果たし、ジャマイカ戦で中山雅史選手が日本人初のW杯ゴールを記録しました。

自然災害

ハリケーン・ミッチ(10月下旬〜11月)

中央アメリカを襲った巨大ハリケーン「ミッチ」は、ホンジュラスとニカラグアに壊滅的な被害をもたらし、数千人が命を落としました。地域の復興には長い歳月を要しました。

科学技術・文化の進展

Googleの創業(9月)

スタンフォード大学の大学院生だったラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンが、検索エンジン企業「Google」を創業しました。後に世界最大級のIT企業へと成長する会社の原点です。

国際宇宙ステーション(ISS)建設開始(11月20日)

ロシアが最初のモジュール「ザーリャ」を打ち上げ、国際宇宙ステーションの建設が本格的に始まりました。

このように1998年は、平和への大きな一歩と新たな脅威の出現、経済危機と技術革新が同居した激動の年でした。20世紀の幕引きとともに、現代につながる多くの出来事がこの年に起きています。