「セイラムの魔女裁判で1200人が処刑された」という話を耳にすることがありますが、これは誤解です。歴史的事実として、セイラム魔女裁判で処刑されたのは約30人にとどまります。一方で、魔術の疑いで告発された人は約200人に上りました。
セイラム魔女裁判とは
セイラム魔女裁判は、1692年から1693年にかけて、イギリス領マサチューセッツ湾植民地(現在のアメリカ・マサチューセッツ州)のセイラム村周辺で行われた一連の裁判です。当時の強い宗教的恐怖心や社会不安が背景にあり、住民たちが次々と「魔術を使った」として告発されました。
実際の犠牲者数
裁判の結果は以下の通りです。
- 告発された人数:約200人
- 有罪判決を受けた人数:約30人
- 絞首刑に処された人数:19人
- 石積み(タイヤリング)による死亡:1人(ジャイルズ・コーリー)
さらに、厳しい収監環境の中で獄中死した人も複数いました。つまり、直接処刑されたのは20人前後、関連する死者を含めても30人程度が実態であり、「1200人」という数字は事実とは大きく異なります。
裁判の終結とその後
告発がエスカレートし、総督夫人までもが告発されるに及んで、ようやく当局は裁判の異常さに気づきました。1693年初頭には裁判が停止され、翌年には有罪判決の取り消しが進められました。しかし、無実の罪で命を落とした人々や、家族の名誉を回復できなかった遺族の傷は深く、この事件は集団ヒステリーと冤罪の歴史における最も有名な教訓の一つとして、今日まで語り継がれています。