ブラッドフォードが描く二つの対照的な姿
ウィリアム・ブラッドフォードは、その著作の中で、メイフラワー号の航海中から新天地到着後にかけた苦難の時期において、「巡礼者(ピルグリム)」と「船員」が病人に対して示した態度の劇的な対比を指摘しています。
巡礼者たちの献身的な看病
巡礼者たちは、病に苦しむ仲間を献身的に世話をしました。食事を与え、必要な手当てを行い、「苦労や労力を惜しむことなく、自らが大きな損失を被ることさえ厭わなかった」とブラッドフォードは記しています。彼らは自分自身の健康や資源を犠牲にしてでも、病人を見捨てないという強い信念を行動で示しました。
船員たちの冷酷な扱い
一方、船員たちの態度はまったく対照的でした。病気になった乗客に対しては無関心で、食事や水を与えることを拒み、さらには寝具や身の回りの品まで取り上げてしまうほどでした。病人を単なる厄介者とみなし、切り捨てようとする冷酷な姿勢がそこには見られます。
この鮮明な対比は、極限的な状況下で人間性がどのように現れるかを浮き彫りにするものとして、ブラッドフォードの記録の中で重要な位置を占めています。困難の中で互いを支え合う共同体の精神と、自己保身に走る態度との差異を、読者に強く印象づけるエピソードとなっています。