完璧に届かなくても、完璧を目指すことに意味がある――フランクリンの考え
ベンジャミン・フランクリンは、完璧そのものには決して到達できないと分かっていても、完璧を目指すこと自体に大きな価値があると考えていました。彼にとって完璧とは、単なる到達点ではなく、人格を磨き続けるための「羅針盤」だったのです。
完璧を目指すことが有益である3つの理由
1. 高い基準が設けられる
完璧という理想を掲げることで、自分自身に対する明確で高い基準が生まれます。この基準があるからこそ、「今の自分」と「あるべき自分」の差が見え、改善すべき点を具体的に把握できるようになります。
2. 成長の方向性が定まる
目標が曖昧だと努力も散漫になりがちですが、完璧という明確な理想は、日々の行動や学びの方向性を示してくれます。迷ったときに立ち返るべき軸となる存在なのです。
3. 継続的な学びと改善を促す
完璧には永遠に届かないからこそ、人は飽きることなく学び続け、改善し続けることができます。フランクリン自身も自伝の中で13の美徳をリスト化し、毎日自分を点検しながら、生涯にわたって自己改善を続けました。
追求の過程で育まれる貴重な資質
さらにフランクリンが注目したのは、完璧を追い求める過程そのものが人を鍛えるという点です。このプロセスを通じて、次のような実り多い資質が自然と育ちます。
・規律(自制心):毎日の習慣をコントロールする力
・粘り強さ:失敗しても諦めず挑戦し続ける力
・細部への注意力:小さな欠点を見逃さず修正する力
これらの資質は、仕事、人間関係、健康など人生のさまざまな場面でプラスに働き、バランスの取れた人格形成にもつながります。
まとめ:大切なのは「旅」そのもの
フランクリンは自伝の中で、「自分は決して目標とした完璧には到達できなかったが、その努力のおかげで、挑戦しなかった場合よりも優れた、より幸福な人間になれた」と述べています。つまり彼にとって重要なのは、完璧という結果ではなく、理想を追い求める旅そのものだったのです。完璧はあくまで理想像であり、その理想への一歩一歩の歩みこそが、意味ある成長と自己改善をもたらす――これがフランクリンの答えでした。