アメリカの10セント硬貨(ダイム)に銀が使われたのは、1964年までです。この年を最後に、アメリカ合衆国造幣局(United States Mint)は銀を含まない新しい素材への切り替えを行いました。
1965年以降のダイムの素材
1965年から現在に至るまで、ダイムは「クラッド材」と呼ばれる構造で製造されています。具体的には、純銅のコア(芯)の両側を、銅75%・ニッケル25%の合金で覆った構成です。外見は銀色に見えますが、実際には銀は一切含まれていません。
なぜ銀から切り替えられたのか
1960年代前半、銀価格の高騰により、硬貨に含まれる銀の価値が額面価格を上回る事態が発生しました。このため、人々が銀貨を溶かして銀として売却したり、海外へ持ち出したりする動きが広まり、流通硬貨が不足する危機に陥りました。これを受けて連邦政府は1965年、硬貨から銀を排除する「クラッド硬貨」への移行を決定したのです。
1964年以前の銀ダイムの価値
1964年以前に鋳造されたダイムは、銀90%・銅10%の合金で作られており、1枚あたり約0.0723トロイオンス(約2.25グラム)の純銀を含んでいます。これらの銀貨はコレクターや貴金属投資家の間で人気があり、「ジャンクシルバー」と呼ばれて取引されています。現在の銀価格によって金属としての価値が変動するため、額面の10セントを大きく上回る価値を持つことも珍しくありません。
まとめ
銀製のダイムが最後に鋳造されたのは1964年であり、翌1965年以降は銅とニッケル被覆銅のクラッド硬貨に完全に移行しました。お手元に1964年以前のダイムがある場合は、単なる小銭ではなく銀としての価値を持つ貴重な硬貨である可能性があります。