アメリカ合衆国第16代大統領エイブラハム・リンカーンの実母は、ナンシー・ハンクス・リンカーン(Nancy Hanks Lincoln)です。彼女は1818年10月5日に亡くなりました。当時、エイブラハムはわずか9歳でした。
死因は「ミルク病(乳毒病)」
ナンシーの死因は、当時インディアナ州やケンタッキー州の開拓地で恐れられていた「ミルク病(milk sickness)」とされています。これは、ウマヤドリギクという有毒植物を牛が食べることで牛乳に毒素が混入し、それを飲んだ人間が中毒を起こす病気です。ナンシーは家族のために看病していた親戚の人々からも感染し、わずか34歳でこの世を去りました。
一家に与えた影響
母の死後、リンカーン家は大きな打撃を受けました。父トマス・リンカーンは翌年、サラ・ブッシュ・ジョンストン(Sarah Bush Johnston)と再婚します。継母となったサラは、読み書きを学びたがっていたエイブラハムに温かく接し、彼の成長を支えたことで知られています。
エイブラハム自身も晩年、「自分の存在のすべては天使のような母から来ている」と語ったと伝えられており、実母ナンシーの早すぎる死が、彼の人生に深い影響を与えたことは間違いありません。