結論:信頼できる記録は存在しない
ベンジャミン・フランクリン(1706年〜1790年)が細菌について具体的な発言をしたことを裏付ける信頼できる記録や文献は存在しません。彼は政治家、科学者、発明家として多方面で活躍した18世紀を代表する博識家ですが、その時代には「細菌」という概念自体がまだ一般的な科学的知見ではなかったのです。
フランクリンの時代と微生物学の関係
フランクリンが生きた18世紀は、微生物学が独立した科学分野として確立される前の時期でした。17世紀後半にアントニ・ファン・レーウェンフックが顕微鏡で微生物を観察したことはありますが、細菌が病気の原因であるとする「病原体説(細菌説)」が広く受け入れられたのは、19世紀後半にルイ・パスツールやロベルト・コッホらの研究によってです。つまり、フランクリンが細菌を現代的な意味で論じることは、時代的にほぼ不可能だったと言えます。
健康問題への関心はあった
ただし、フランクリン自身は健康や疾病に対して強い関心を持っていました。例えば、風邪は寒さや湿気ではなく人から人への接触によって感染するとの見解を示したり、鉛中毒の危険性について警告したり、天然痘の予防接種を積極的に推奨したりしています。これらの業績からも、彼が先見的な視点を持っていたことはうかがえますが、「細菌」そのものに言及した発言は確認されていません。
まとめ
ベンジャミン・フランクリンが細菌について何か特別な発言をしたという証拠はなく、それは彼の時代が微生物学成立以前であったためです。インターネット上に流れる彼の「細菌に関する名言」とされるものは、後世の創作または誤った引用である可能性が高いでしょう。