私たちが今日知っているような近代的なショッピングモールの概念は、1950年代後半になるまでアメリカには存在しませんでした。1940年代にも複数の店舗が集まったリテールセンターや商店街のような施設はありましたが、後に人気を博したモールのような、屋根で覆われ空調管理された閉鎖型の環境ではなかったのです。
1940年代の買い物の中心は「ダウンタウン」
この時代、人々の買い物の主な拠点となっていたのは、市街地(ダウンタウン)や商店街でした。百貨店をはじめとする個別の店舗が通りに面して並び、人々は街を歩きながら窓辺のディスプレイを眺め、買い物を楽しむスタイルが一般的でした。自動車の普及とともに郊外化が進み始めた時期ではありましたが、小売業の中心は依然として都市部にあったのです。
初期のショッピングセンターとの違い
実は、それより前の1920年代には、カンザスシティの「カントリークラブ・プラザ」のように、複数の店舗が一体となったオープンエア型の商業施設も登場していました。しかし、これらはあくまで屋外型の施設であり、現代のモールが備える快適さ――雨や寒暑から守られた空間、統一された空調、大規模な駐車場を完備した設計――は持ち合わせていませんでした。
屋内型モールの誕生
世界初の本格的な屋内型ショッピングモールとされるのは、1956年にミネソタ州エディナで開業した「サウスデール・センター」です。建築家ヴィクター・グルーエンの設計によるこの施設は、空調完備の閉鎖空間という全く新しい形態の商業施設を確立し、その後のアメリカにおけるモール文化の爆発的な普及への道を開きました。
まとめ
つまり、1940年代には「モール」と呼べる施設はまだ存在せず、買い物といえば市街地や商店街へ出かけることが主流でした。現在のようなショッピングモールの時代が幕を開けたのは、それから10年余り後のことなのです。