歴史物語

スペインの伝道所(ミッション)に住んでいたのは誰?先住民と入植者の暮らし

スペインの伝道所(ミッション)には、スペイン人入植者と、さまざまな部族から来たネイティブ・アメリカン(先住民)の改宗者がともに暮らしていました。両者は目的も背景も異なり、それぞれの立場で伝道所という共同体を形作っていました。

スペイン人入植者

伝道所は、18世紀から19世紀にかけて、南北アメリカ大陸においてスペインの植民者たちによって設立されました。その目的は、領土の拡大とカトリック信仰の布教でした。入植者の中心となったのは、新たな土地に自国の勢力を築こうとしたスペイン人植民者たちで、中には現地の資源や富の獲得を目指す者も少なくありませんでした。伝道所は宗教施設であると同時に、植民地経営の拠点としての役割も担っていました。

ネイティブ・アメリカンの改宗者

伝道所の最大の目的は、先住民のコミュニティをカトリックへ改宗させることにありました。スペイン人の宣教師たちは伝道所を通じて先住民への教育、福音伝道、洗礼を行い、彼らに伝統的な信仰を捨てて、スペイン語やスペイン式の生活習慣、そしてカトリックの宗教観を受け入れるよう促しました。

こうした活動により、多くの伝道所で大量の先住民が改宗しました。彼らは「ネオファイト(neophytes/新信者)」または「インディアン改宗者」と呼ばれ、伝道所内で農業や建設などの労働に従事しながら、ヨーロッパ式の生活様式を学ばされることになりました。

まとめ

つまりスペインの伝道所とは、領土拡張と布教を目指すスペイン人入植者と、改宗を強いられた先住民が共存していた場所でした。その実態は単なる宗教施設にとどまらず、植民地支配と文化変容が進められた場でもあったのです。