1066年10月14日にイングランド南部で行われたヘイスティングスの戦い。正午の時点で、ハロルド・ゴドウィンソン王率いるアングロ・サクソン軍は、征服王ウィリアム(ウィリアム1世)率いるノルマン軍の猛攻をしっかりと防ぎ止めていました。
「盾の壁」がノルマン騎兵を寄せつけない
戦いの序盤、圧倒的な機動力を誇ったノルマン騎兵隊でしたが、アングロ・サクソン軍が築いた「盾の壁(シールド・ウォール)」と呼ばれる密集陣形の前には、なかなか進撃できませんでした。丘の上に陣取るイングランド軍の防御は極めて堅固で、騎兵の突撃はことごとく跳ね返されていたのです。
ノルマン軍の戦術転換が勝負を分けた
しかし、戦況は徐々に変化していきます。ノルマン軍は弓兵を活用し、密集して並ぶアングロ・サクソン軍の部隊に向けて矢の雨を降らせ始めました。さらに、あえて撤退するふりをして敵をおびき出す「偽装退却」という戦術も駆使します。この作戦に引っかかったアングロ・サクソン兵たちは、堅固な陣形を崩して追撃に出てしまい、その結果、待ち構えていたノルマン騎兵の反撃に対して無防備な状態をさらすことになりました。
正午時点の戦況とその後の展開
正午を迎えた頃には、戦いは依然として激しく拮抗していましたが、流れは少しずつノルマン側に傾き始めていました。この日の戦いは日没まで続きますが、正午前後に見られたこうした戦術上の変化こそが、最終的なウィリアムの勝利、ひいてはイングランドの歴史を大きく塗り替える「ノルマン・コンクエスト(ノルマン征服)」へとつながっていくのです。