歴史物語

ザカリアス・ヤンセンは何をした人物?世界初の複合顕微鏡を発明した男

ザカリアス・ヤンセンとはどんな人物?

ザカリアス・ヤンセン(Zacharias Janssen、1580年または1585年頃~1632年11月21日以前)は、オランダの眼鏡職人です。1590年頃、当時のネーデルラント連邦共和国(現在のオランダ)ゼーラント州ミッデルブルフにおいて、世界初となる複合(多レンズ式)顕微鏡を製作した人物として広く知られています。

世界初の複合顕微鏡の誕生

ヤンセンが製作したとされる顕微鏡は、複数のレンズを組み合わせることで、単一レンズの拡大鏡よりもはるかに高い倍率を実現できるものでした。当時の記録には、この器具を使うと「ノミでさえも高さ20フィート(約6メートル)の怪物のように見えた」という驚きの声が残されています。

ただし、ヤンセンの発明を直接裏付ける資料は少なく、同じ時期に同じ町で活動していたハンス・リッペルハイとの間で、望遠鏡や顕微鏡の発明者をめぐる論争が長く続いてきました。正確な発明の時期や経緯については、今日でもなお確定していないのが実情です。

顕微鏡がローマへ伝わった経緯

顕微鏡がどのようにローマへ伝わったのかについては、最も古い歴史的記録が残っています。それによると、1609年9月中旬、ある匿名の旅行者がロータンダ広場近くの宿に到着しました。彼は「素晴らしい細工の二つの眼鏡(顕微鏡)を含む、数多くの見事な器具」を携えており、これらの器具によって「ノミさえも高さ20フィートの怪物のように見えた」と伝えられています。

ガリレオ・ガリレイもまた、「この前の10月」(1609年)にこうした器具の存在を知ったと述べています。オランダ人の旅行者たちはローマ到着の直前にヴェネツィアを訪れていたほか、ローマ近郊にはオランダ人居留地も存在していました。こうした旅行者たちやオランダの外交官が、ヤンセンの顕微鏡に関する知識を広め、実物を紹介した可能性があると考えられています。