第二次世界大戦中、ナチス・ドイツの支配下にあったユダヤ人に対しては、衣服に星形の徽章を縫い付けることが義務付けられました。ただし、厳密には「ダビデの星」そのものではなく、黒い円の中に描かれた黄色い六芒星(イエローバッジ。ドイツ語では「ユーデンシュテルン=ユダヤ人の星」と呼ばれます)でした。
着用義務化の経緯
ドイツ国内では、1941年9月1日に発布された「ユダヤ人識別に関する警察規則」により、6歳以上のユダヤ人は外出時にこの黄色い星章を衣服の左胸に着用しなければならないと定められました。この規定は、ドイツが降伏する1945年まで実施され続けました。
一方、占領下のポーランドではこれより早く、1939年11月以降、各占領当局の命令によって黄色い徽章の着用が段階的に導入されていきました。
ニュルンベルク法との関係
関連してよく言及される「ニュルンベルク法」は、1935年に制定された一連の反ユダヤ主義的法律です。ユダヤ人からの市民権剥奪や「ユダヤ人」の法的な定義などを定めたものであり、星章の着用義務そのものを定めた法律ではありません。しかし、この法律が築いた差別的な法的枠組みこそが、その後の識別・迫害政策の基礎となりました。
まとめ
ユダヤ人に星章の着用を強制したのは、単一の法律というよりも、ナチス政権が段階的に発布した一連の法令・規則でした。ドイツ本国における直接的な根拠は1941年の警察規則であり、その背景には1935年のニュルンベルク法による制度的な差別の仕組みがありました。