アフリカの歴史

なぜペストは「黒死病」と呼ばれたのか?その恐るべき由来と歴史

黒死病という名前の由来

ペストが「黒死病(こくしびょう)」と呼ばれるようになった理由は、14世紀にヨーロッパを襲った壊滅的な被害にあります。1347年から1351年にかけて猛威をふるったこの感染症は、当時のヨーロッパの人口の約3分の1にあたる、7500万人から2億人もの命を奪ったと推定されています。


あまりにも致死率が高く、広範囲に及んだため、この疫病はヨーロッパの人々の記憶に消えることのない深い傷跡を残しました。こうした悲惨な体験から、人々はこの病気を「黒死病」と呼ぶようになったのです。


「黒」の意味するもの

「黒死病」という名称の正確な起源については諸説あります。一つは、感染者のリンパ節にできる腫れ物(横痃・よこぎん)が壊死し、皮膚が紫黒色に変色することから名付けられたという説です。また、ラテン語で「恐ろしい死」を意味する「atra mors」が翻訳される過程で「黒い死」と解釈されたという説もあります。


歴史に残る大惨事として

黒死病は単なる疫病にとどまらず、ヨーロッパ社会全体に深刻な影響を与えました。労働力の激減による経済の混乱、宗教観の変化、社会構造の転換など、その波紋は何世代にもわたって続き、中世ヨーロッパの歴史を大きく塗り替える出来事となりました。それほどまでに強烈な衝撃であったことこそが、「黒死病」という名が今日まで語り継がれる理由なのです。