古代インド史の学習において、マガダ帝国は最も頻出かつ重要なテーマの一つです。この記事では、マガダ帝国を支配した7つの王朝とそれぞれの創設者を、一覧表と語呂合わせ(ニーモニック)を使って効率よく記憶する方法を解説します。
マガダ帝国とは?
マガダ帝国は、紀元前6世紀頃から紀元後3世紀頃にかけて、現在のインド東部ビハール州を中心に栄えた古代インドの強国です。首都は当初ラージャグリハ(王舎城)に置かれ、後にパータリプトラ(華氏城)へ移されました。釈迦やマハーヴィーラと同時代のビンビサーラ王の治世から繁栄が始まり、以降も幾多の王朝の興亡を経て長くインド史の中心であり続けました。
王朝と創設者の一覧表
| 王朝名 | 創設者 |
|---|---|
| ハリヤンカ朝 | ビンビサーラ |
| シシュナーガ朝 | シシュナーガ |
| ナンダ朝 | マハーパドマ・ナンダ |
| マウリヤ朝 | チャンドラグプタ・マウリヤ |
| シュンガ朝 | プシヤミトラ・シュンガ |
| カンヴァ朝 | ヴァースデーヴァ |
| サータヴァーハナ朝 | シムカ |
覚え方のコツ:頭文字による連想法
インドの受験生の間で広く知られているのが、「Haseenmashuksa = Wishim Chapu Vasi」という語呂合わせです。これは王朝名と創設者名の頭文字を順番に対応させたもので、次のように分解できます。
王朝側のキーワード「ハスィーン・マ・シュクサ」
- Ha = ハリヤンカ朝
- Si = シシュナーガ朝
- N = ナンダ朝
- Ma = マウリヤ朝
- Shu = シュンガ朝
- Ksa = カンヴァ朝
- Sa = サータヴァーハナ朝
創設者側のキーワード「ウィシム・チャプ・ヴァスィ」
- Bi = ビンビサーラ
- Si = シシュナーガ
- M = マハーパドマ・ナンダ
- Cha = チャンドラグプタ・マウリヤ
- Pu = プシヤミトラ・シュンガ
- Va = ヴァースデーヴァ
- Si = シムカ
両者の頭文字を1対1で対応させて音読すれば、王朝の継承順序ごと創設者まで一度に記憶できます。
各王朝の押さえておきたいポイント
ハリヤンカ朝
初代ビンビサーラは釈迦と同時代人で、仏教とジャイナ教を保護したことで有名です。息子のアジャータサットゥルの代にマガダは北インドの覇権を確立しました。
シシュナーガ朝
ハリヤンカ朝の臣下だったシシュナーガが王位を奪って建国。強国アヴァンティを滅ぼすなど、マガダの勢力圏を大きく広げました。
ナンダ朝
マハーパドマ・ナンダが築いた王朝で、アレクサンドロス大王のインド遠征とほぼ同時代にあたります。強大な常備軍を擁していたことで知られます。
マウリヤ朝
チャンドラグプタ・マウリヤが軍師カウティリヤ(チャーナキャ)の補佐を受けてナンダ朝を打倒し、インド史上初のほぼ全域を統一する帝国を樹立しました。孫にあたるアショーカ王は仏教保護と法勅で特に著名です。
シュンガ朝
マウリヤ朝の将軍プシヤミトラが最後の王ブリハドラタを暗殺して成立しました。仏教への弾圧とブラーフマナ文化の復興という特徴を持ちます。
カンヴァ朝
シュンガ朝の大臣ヴァースデーヴァが主君を討って開いた短命の王朝です。まもなくサータヴァーハナ朝などの台頭により衰退しました。
サータヴァーハナ朝
シムカがデカン地方に建てた王朝です。厳密にはマガダ本土ではなく南インドの政権ですが、試験ではマガダ系王朝の流れの中で一緒に出題されることが多いため、セットで覚えておきましょう。
まとめ
マガダ帝国の王朝の流れは、「ハリヤンカ → シシュナーガ → ナンダ → マウリヤ → シュンガ → カンヴァ」、そしてデカン地方へと「サータヴァーハナ」と続きます。一覧表で全体像を把握し、頭文字の語呂合わせで順序と創設者を固定すれば、試験直前の総復習にも十分活用できます。古代インド史の得点源として、ぜひ完璧にマスターしてください。