アジアの歴史

カルカッタのフォート・ウィリアム・カレッジを設立したのは誰?

カルカッタ(現在のコルカタ)に設立されたフォート・ウィリアム・カレッジは、1800年、当時のインド総督であった初代ウェルズリー侯爵リチャード・ウェルズリー卿(Lord Wellesley)によって創設されました。

設立者:ロード・ウェルズリーとは

リチャード・ウェルズリー卿は1798年から1805年にかけてイギリス東インド会社のインド総督を務めた人物です。彼はインド統治に必要な人材育成の重要性を強く認識しており、その一環としてフォート・ウィリアム・カレッジの設立を推進しました。

フォート・ウィリアム・カレッジの目的と背景

この学院は、東インド会社に採用された若手行政官(ライターと呼ばれる研修生)に対し、以下のような教育を行うことを目的として設立されました。

  • ベンガル語、ヒンディー語、ペルシア語、アラビア語などのインド諸言語の習得
  • インドの歴史、法律、習慣に関する知識の涵養
  • インド統治に必要な実務能力の養成

学院名は、カルカッタにある要塞「フォート・ウィリアム」に由来しています。この要塞自体はイングランド王ウィリアム3世にちなんで名付けられたものです。

学院の役割と歴史的意義

フォート・ウィリアム・カレッジは、19世紀初頭における東洋学(オリエンタル研究)の中心地として発展しました。ジョン・ギルクリスト(ヒンディー語)、ウィリアム・ケアリー(ベンガル語・サンスクリット語)など、多くの著名な学者がここで教鞭を執り、インド諸言語の文法書や辞書の編纂、古典作品の翻訳などが数多く行われました。

これらの活動は、近代ベンガル文学やヒンディー文学の発展にも大きな影響を与えたとされています。学院は1854年頃まで機能しましたが、その学術的遺産はインドの教育史において重要な位置を占めています。

まとめ

カルカッタのフォート・ウィリアム・カレッジを設立したのは、初代ウェルズリー侯爵リチャード・ウェルズリー卿(1800年)です。同学院は東インド会社職員の養成機関として始まり、やがてインド諸言語研究の拠点として歴史に名を刻みました。