1974年5月18日、インドは公式に核保有国となりました。本記事では、インドの核開発の歴史とその背景について詳しく解説します。
核開発の始まり
1964年10月、隣国中国が初の核実験を成功させたことを受け、インドは独自の核兵器開発に本格的に取り組みました。ネルー政権時代に整備された原子力開発の基盤の上に、物理学者ホミ・J・バーバーが創設したバーバ原子力研究センター(BARC)を中心として、研究開発が進められました。
初の核実験「スマイリング・ブッダ」
1974年5月18日、インドはラージャスターン砂漠のポカラン実験場で初となる核爆発装置の地下実験を実施しました。この作戦は「スマイリング・ブッダ(微笑む仏陀)」、別名「ポカラン-I」と呼ばれています。爆発規模は推定約12キロトンで、この実験によりインドはアメリカ、ソ連、イギリス、フランス、中国に続く、世界で6番目の核保有国となりました。
国際社会の反応と制裁
この核実験は国際社会に大きな衝撃を与え、インドは一部の国々から経済制裁を受け、外交的な孤立を深めることになりました。それでもインドは、自国の核計画はあくまで平和目的のものであり、経済・技術の発展のために核エネルギーを開発する権利があるという立場を崩しませんでした。
1998年のポカラン-II実験
その後もインドの核兵器計画は着実に発展を続けました。1998年5月には「ポカラン-II(作戦名シャクティ)」と称する一連の核実験を実施し、核能力のさらなる強化と精度の向上を図りました。これにより、インドは事実上の核兵器国としての地位を確固たるものにしました。
核政策と地政学への影響
インドは核兵器の「先制不使用(no-first-use)」政策を公式に掲げており、紛争において核兵器を最初に使用しないことを誓約しています。同時に、核軍縮と核不拡散の重要性も強調しています。しかしながら、インドの核開発は南アジア地域の軍事バランスや地政学に大きな影響を及ぼしており、核安全保障と軍縮に関する国際的な議論において、今なお重要なテーマであり続けています。