「第二次インドシナ・ベトナム戦争」という呼び名は、実は正式な歴史学上の用語ではありません。インドシナ半島での戦争は、一般的に次の二つの戦争に分けて理解されています。
第一次インドシナ戦争(1946年~1954年)
第一次インドシナ戦争は、第二次世界大戦後の1946年から1954年にかけて、植民地支配の維持を目指すフランスと、ホー・チ・ミン率いるベトナム独立運動(ベトミン)との間で戦われた戦争です。
1954年のディエンビエンフーの戦いでフランス軍が決定的な敗北を喫した結果、ジュネーブ協定によりベトナムは北緯17度線を境界として南北に分断されることになりました。
ベトナム戦争=第二次インドシナ戦争(1955年~1975年)
一般に「ベトナム戦争」と呼ばれる戦争こそが、「第二次インドシナ戦争」の別名を持つ戦争です。この戦争は1955年から1975年まで約20年間続き、アメリカと南ベトナム政府が、ソ連や中国といった共産主義陣営の支援を受けた北ベトナムおよび南ベトナム解放民族戦線(ベトコン)と対峙しました。
アメリカの関与は段階的に拡大
アメリカがこの戦争に「巻き込まれた」のは、ある日突然のことではありません。関与は数十年にわたって段階的に深まっていきました。
まず1950年代、アイゼンハワー政権が南ベトナム政府への経済・軍事援助を開始し、軍事顧問団を派遣します。ケネディ政権下で顧問団の規模はさらに拡大されました。
転換点となったのは1964年のトンキン湾事件です。これを契機にジョンソン政権は北ベトナムへの爆撃(ローリング・サンダー作戦)を開始し、1965年にはダナンへ海兵隊が上陸。ここでアメリカは本格的な地上戦に突入することになりました。
撤退と戦争の終結
長期化する戦争と膨らむ犠牲者の中で、アメリカ国内の反戦世論は急速に高まりました。1973年のパリ和平協定によりアメリカ軍は撤退しますが、戦闘そのものは継続され、1975年4月にサイゴン(現ホーチミン市)が陥落して南ベトナムは崩壊。戦争は北ベトナムの勝利によって終結しました。
まとめると、アメリカは1950年代から南ベトナムへの支援という形で関与を始め、1965年に本格的な軍事介入へと踏み切りました。「第二次インドシナ戦争」という名称は、このベトナム戦争を指す別名として広く使われているのです。