アジアの歴史

パキスタンと中国を結ぶ山岳峠とは?主要5つの峠を徹底解説

パキスタンと中国の間には、カラコルム山脈を中心とした険しい山地帯があり、両国を結ぶ複数の重要な山岳峠(パス)が存在します。これらの峠は古くから交易路として人々や物資の往来を支え、現在でも両国間の経済・文化交流において重要な役割を担っています。

本記事では、パキスタンと中国を結ぶ5つの主要な山岳峠について、それぞれの標高や特徴、通行状況を詳しくご紹介します。

1. フンジュラーブ峠(Khunjerab Pass)

フンジュラーブ峠は、標高4,693メートルに位置する「世界最高地点の舗装された国境」として知られる峠です。カラコルム山脈の中にあり、パキスタンのギルギット・バルチスタン地域と中国の新疆ウイグル自治区を結んでいます。
カラコルム・ハイウェイ(中巴友好公路)が通るこの峠は、両国間貿易の大動脈となっており、夏季には観光客や貨物の往来で賑わいます。ただし、冬季は豪雪のため長期間閉鎖されます。

2. ナルタール峠(Naltar Pass)

ナルタール峠は、パキスタンのギルギット・バルチスタン地域に位置し、中国の新疆ウイグル自治区へと続く峠です。標高は約4,672メートルで、夏季には貿易や旅行目的での通行が可能ですが、冬季は厳しい降雪により閉ざされてしまいます。

3. アギール峠(Aghil Pass)

アギール峠は、カシミール地方のパキスタン管理区域と中国のチベット自治区を結ぶ峠です。標高5,075メートルという高い場所に位置しており、夏季に限り通行が認められますが、冬場は猛吹雪と積雪のために閉鎖されます。

4. カラコルム峠(Karakoram Pass)

カラコルム峠は、カラコルム山脈、崑崙(こんろん)山脈、パミール高原という三大山系が交わる要衝に位置する、歴史的にも名高い峠です。標高は5,540メートルに達し、かつてはシルクロードの一部として東西交易の重要な経路でした。
しかし、その極めて高い標高と過酷な地形・気候のため、現在ではほとんど利用されていません。

5. ミンタカ峠(Mintaka Pass)

ミンタカ峠は、カラコルム山脈の南部に位置し、パキスタンのギルギット・バルチスタン地域と中国の新疆ウイグル自治区を結んでいます。標高は約4,750メートルで、こちらも古代の交易路としての歴史を持つ峠です。夏季のみ開放され、冬季は深い雪に覆われて通行不能となります。

まとめ

パキスタンと中国を結ぶこれら5つの峠は、いずれも標高4,500メートルを超える高地にあり、厳しい自然環境に囲まれています。中でもフンジュラーブ峠は現代における両国間物流の中心的役割を果たしており、残りの峠の多くは歴史的価値を持ちながらも、冬季の通行が不可能なため夏季限定の利用にとどまっています。こうした峠々は、両国を隔てるカラコルム山脈の雄大さと、人類が培ってきた交流の歴史を今に伝える貴重な存在といえるでしょう。