北米の歴史

史上初の黒人大統領!第44代アメリカ合衆国大統領バラク・フセイン・オバマの生涯

アメリカ合衆国史上初の黒人大統領——それがバラク・フセイン・オバマです。

建国以来、アメリカにおいて黒人たちは差別にさらされ続けてきました。南北戦争までは奴隷として使われ、戦後も迫害は続きました。しかし建国から約230年の時を経て、アメリカの歴史は大きく動きます。2008年、オバマは初の黒人大統領として選出されたのです。

大統領になるまでのバラク・フセイン・オバマ

バラク・フセイン・オバマは1961年、ハワイで生まれました。父はケニア出身の黒人、母はカンザス州出身の白人です。父はイスラム教徒でしたが、オバマ自身はプロテスタントのクリスチャンとして育ちました。両親は1964年に離婚し、以降オバマは母とともに暮らすことになります。

母は人類学者となり、インドネシア人の男性と再婚。そのためオバマは小学校時代をインドネシアで過ごしました。

1971年にはハワイに戻り、母方の祖父母のもとで生活します。高校卒業後はカリフォルニア州のオクシデンタル大学に進学し、2年後にコロンビア大学へ編入して政治学を専攻しました。

卒業後はニューヨークの出版社に勤務したのち、ハーバード・ロー・スクール(ハーバード大学法科大学院)に入学。卒業後はシカゴで弁護士として働き、その後連邦上院議員として政治の世界へ足を踏み入れます。そして2008年の大統領選挙に出馬し、史上初の黒人大統領に就任したのです。

第44代アメリカ合衆国大統領として

史上初の黒人大統領!第44代アメリカ合衆国大統領バラク・フセイン・オバマの生涯

民主党の大統領らしく、オバマは内政の強化に力を注ぎました。

国民皆保険制度ともいえる「オバマケア」を実施し、同性婚を容認する姿勢を示すなど、先進的な政策を次々と打ち出しました。さらに、先住民の生活向上のために30億ドル規模の予算を充てるなど、社会的な配慮も見せています。

また、アジア系・アフリカ系・ネイティブ・アメリカンといった少数派の人材を要職に積極的に登用した点も特筆されます。チェロキー族出身者をホワイトハウス上級顧問に起用したり、ヒスパニック系のソニア・ソトマイヨールを最高裁判事に任命するなど、革新的な人事に取り組んだのです。

一方、外交政策では「アメリカは世界の警察官をやめる」と述べるなど、民主党らしい調和路線をとりました。このため国内からは「アメリカが弱くなった」との批判を受け、イランやキューバとの関係改善の動きも国内の支持を得られませんでした。

その一方で、アフガニスタンやパキスタンへの駐留兵力は増強しています。また、現職大統領としてプラハでの演説において「核兵器を使用した唯一の核保有国として、行動する道義的責任をアメリカは負っている」と語り、第一次任期中にノーベル平和賞を受賞しました。

バラク・フセイン・オバマへの評価

オバマは内政を充実させ、少数派を積極的に登用することで、アメリカ政治に新風を吹き込んだ大統領だといえます。

しかしその一方で、従来の「強いアメリカ」を掲げる勢力からの反発は強く、移民問題などをめぐって保守派の反対を招きました。その結果、ドナルド・トランプの大統領就任という事態につながったともいえます。

このあたりは、アメリカ政治の難しさを象徴しているように思われます。