アメリカ合衆国における公民権運動
開始: 1954年
終了: 1968年
アメリカ合衆国の公民権運動は、人種差別と人種隔離(セグリゲーション)の撤廃を目指し、アフリカ系アメリカ人をはじめとするマイノリティの市民的権利を保障することを目的とした、大規模な社会運動・抗議活動の時期でした。
運動の起源と思想的背景
この運動のルーツは、19世紀の奴隷制廃止(アボリショニスト)運動にまでさかのぼります。また、マハトマ・ガンジーが率いたインドの非暴力・市民的不服従の闘いからも大きな影響を受けました。
運動の始まり ― 1954年
公民権運動の始まりは、一般に1954年とされています。同年、連邦最高裁判所は「ブラウン対教育委員会事件(Brown v. Board of Education)」の判決において、公立学校における人種隔離は違憲であると宣言しました。この歴史的な司法判断が、運動の出発点となりました。
1960年代の高まりと主要な出来事
その後、運動は次のような象徴的な出来事を経て、1960年代に大きな勢いを獲得していきました。
- モンゴメリー・バス・ボイコット(1955〜1956年): ローザ・パークスの逮捕をきっかけに始まった、バスの人種隔離に反対する長期のボイコット運動。
- ワシントン大行進(1963年): マーティン・ルーサー・キング牧師が有名な「I Have a Dream」演説を行った、25万人規模の平和的なデモ行進。
- セルマからモンゴメリーへの行進(1965年): 黒人の投票権を求めて行われた一連の行進。
立法面での成果
運動の最大の成果として挙げられるのが、以下の2つの重要な法律です。
- 1964年 公民権法(Civil Rights Act): 公共施設などにおける人種差別を禁止。
- 1965年 投票権法(Voting Rights Act): 黒人などに対する投票権の行使を妨げる障壁を撤廃。
運動の終わり ― 1968年
公民権運動は、一般に1968年にマーティン・ルーサー・キング牧師が暗殺されたことをもって終結したと見なされています。ただし、その影響と闘いは1970年代以降も続いたと考える研究者や関係者も多くいます。