はじめに
1年間に世界中で発生するテロ攻撃の件数は、年によって大きく変動します。その数を正確に把握することは容易ではなく、「テロリズム」の定義、調査対象となる地域の範囲、そして参照するデータソースによって結果が異なるためです。
グローバル・テロリズム・インデックス(GTI)による統計
世界のテロ攻撃の発生件数、死者数、負傷者数を追跡している「グローバル・テロリズム・インデックス(GTI)」によると、2021年には全世界で5,835件のテロ攻撃が発生したと報告されています。ただし、組織ごとにテロの定義や集計対象とする攻撃の種類が異なるため、出典によって正確な数字には差が生じる点に注意が必要です。
米国国家対テロセンター(NCTC)の定義と統計
例えば、アメリカ合衆国の国家対テロセンター(NCTC)は、テロリズムを「政治的または社会的目的を推進するために、政府、市民社会、あるいはその一部を威嚇・強制することを意図して、人または財産に対して武力や暴力を用いる行為」と定義しています。この定義に基づくと、NCTCは2019年に全世界で10,900件のテロ攻撃が発生したと報告しています。
統計にばらつきが生じる理由
テロ攻撃の報告は複雑であり、以下のような要因が数字のばらつきにつながります。
- 分類の難しさ:一部の事件は、公式にテロとして分類されない場合があります。
- データ収集方法の違い:組織ごとにデータの収集・報告手法が異なり、食い違いが生じることがあります。
- メディア報道の影響:報道の程度や、特定の地域からの情報入手のしやすさによって、報告される件数が左右されることがあります。
まとめ
利用可能なデータに基づいて年間のテロ攻撃件数を推定することは可能ですが、採用する定義や参照するデータソースによって正確な数字は変動します。テロに関する統計を読み解く際には、こうした背景を理解しておくことが重要です。