ペニーは最初から銅合金だったのか?
「アメリカ合衆国造幣局は銅でペニーを作ったことがない」という話を耳にすることがあります。しかし、これはやや誤解を招く表現です。実際には、1793年に発行が始まった初期の1セント硬貨(ラージセント)は、ほぼ純銅で鋳造されていました。
1837年、純銅から合金へ
転機となったのは1837年です。この年、造幣局はペニーの素材を純銅から、銅95%・錫(すず)5%の合金へと変更しました。合金化することで硬貨の強度が増し、流通時の摩耗や傷みに強くなったのです。
つまり、「銅を使ってペニーを作るのをやめた」というよりも、「純銅100%の使用をやめ、銅を主成分とする合金に切り替えた」というのが正確な答えです。ペニーが銅を一切含まなくなったわけではない点に注意が必要です。
その後のペニーの材質変遷
1837年以降も、ペニーは長く銅を主成分とする合金で作られ続けました。ただし、時代によって材質は何度か変更されています。
- 1943年: 第二次世界大戦中の銅不足のため、亜鉛メッキを施したスチール製のペニーが一時的に発行されました。
- 1982年: 銅の価格高騰を受け、現在の「亜鉛97.5%+銅メッキ2.5%」という構成に切り替わりました。これにより、ペニーは事実上「銅の外観を持つ亜鉛貨幣」となりました。
このように、ペニーと銅の関係は「やめたのか」「いつやめたのか」という単純な問いでは語れない、段階的な変化の歴史だと言えます。