北米の歴史

三段櫂船(トライレム)はなぜ「三段」と呼ばれるのか?古代軍艦の名前の由来を解説

「三段櫂船」の名前の由来

三段櫂船(トライレム、Trireme)という名称は、ラテン語で「三人の漕ぎ手」を意味する言葉に由来しています。これは、古代ギリシャやローマで使用された軍用船に、3列に並んだ漕ぎ手たちが乗り組んでいたことにちなんでいます。

3層構造の櫂の配置

各列の漕ぎ手は、船内の異なる高さの席に座っていました。最上段の漕ぎ手が最も高い位置に、最下段の漕ぎ手が最も低い位置に配置されます。さらに、最上段の漕ぎ手は最も長い櫂を、最下段の漕ぎ手は最も短い櫂を使用していました。このように櫂の長さを使い分けることで、それぞれの段から効率よく水面を捉えられるようになっていたのです。

高速と機動性を両立した設計

この独特な配置により、漕ぎ手たちが一斉に漕ぐことで、船は非常に高い速度を出すことができました。また、三段櫂船は優れた操縦性も備えていました。片側の櫂で前進しながら、反対側の櫂で後ろに漕ぐことで、素早く方向転換することが可能だったのです。

こうした性能により、三段櫂船は古代地中海世界の海戦において主力軍艦として活躍しました。速度と機動力を兼ね備えたこの船は、古代造船技術の粋を集めた傑作といえます。