北米の歴史

アファーマティブ・アクションの3つの種類とは?大学入試における優遇措置をわかりやすく解説

アファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)とは、歴史的に機会が制限されてきた集団に対して、教育や就労の機会を公平に提供するために設けられた政策です。特に大学入試の分野では、多様性の確保を目的としてさまざまな形で導入されてきました。ここでは、代表的な3つの種類について詳しく解説します。

1. 人種を考慮した入学者選抜(Race-conscious admissions)

これは、これまで十分に代表されてこなかった人種・民族グループの出願者に優遇措置を与える方法です。具体的には、以下のような形で実施されます。

  • 特定の人種・民族グループの学生向けに、一定数の入学枠を確保する
  • 入試の審査プロセスにおいて、加点などの有利な扱いを行う

この方式は、キャンパス内の人種的多様性を高める効果が期待される一方、逆差別ではないかという議論の対象にもなってきました。実際にアメリカでは、2023年の連邦最高裁判決により、人種を入学審査の判断材料とすることが制限されるなど、制度をめぐる状況は変化しています。

2. 性別を考慮した入学者選抜(Gender-conscious admissions)

こちらは、特定の性別において出願者が少ない分野や学校で、その性別の出願者に優遇措置を与えるものです。主な実施方法は次のとおりです。

  • 女性学生向けに一定数の入学枠を設ける
  • 審査の際に加点や優先的な評価を行う

理工系分野など、伝統的に男性の割合が高い学問領域で女性の参入を促すために用いられることが多く、ジェンダー格差の是正を目指す取り組みとして注目されています。

3. その他のアファーマティブ・アクション

人種や性別以外の要素に着目した優遇措置も存在します。代表的な対象は以下の通りです。

  • 低所得世帯出身の出願者: 経済的な事情により教育機会が限られていた学生に対して、入学の優遇や奨学金などの支援を行う
  • 第一世代大学生(親が大学を卒業していない学生): 家族に高等教育を受けた経験者がいない学生を支援し、教育格差の是正につなげる

これらの制度は、経済的背景や家庭環境といった社会経済的な要因に基づいているため、人種ベースの制度と比べて法的な議論が少なく、幅広く受け入れられやすい傾向があります。

まとめ

アファーマティブ・アクションには、人種を考慮した選抜、性別を考慮した選抜、そして低所得層や第一世代大学生への支援という3つの主要な形態があります。いずれも「教育の機会均等」という共通の目標を掲げていますが、その手法や社会的な評価については賛否が分かれることも少なくありません。各国の法制度や社会情勢の変化とともに、これらの制度の在り方も今後も変化し続けるでしょう。