北米の歴史

1975年11月の国連シオニズム決議とは?採択の経緯と影響をわかりやすく解説

1975年の「シオニズムは人種差別」という国連決議とは

1975年11月10日、国連総会で採択された「シオニズム決議」(正式名称:決議3379)は、「シオニズムは人種差別および人種差別主義の一形態である」と宣言した文書です。この決議は、賛成72票、反対35票、棄権32票という投票結果により可決されました。

提案の背景と採択の経緯

この決議は、アラブ諸国やイスラム諸国を中心として提案されたもので、当時の冷戦構造や発展途上国の多数派工作を背景に成立しました。一方、イスラエル、アメリカ合衆国、そして西欧諸国の多くはこの決議に強く反対しました。

採択後、この決議は世界中から反ユダヤ主義(アンチセミティズム)に基づくものとして激しい非難を受けました。特に、米国のダニエル・パトリック・モイニハン駐国連大使やイスラエルのハイム・ヘルツォーク大使による反論演説は広く知られています。

決議の撤回

冷戦終結後の1991年12月、国連総会は新たな決議46/86を採択し、このシオニズム決議を正式に取り消しました。これは中東和平プロセスの進展に向けた環境整備の一環であり、イスラエルとアラブ諸国との関係改善への道を開く重要な一歩となりました。

決議がもたらした影響

シオニズム決議は、イスラエルにとって多くの負の影響をもたらしました。国際的な孤立を深め、世界各地における反ユダヤ主義の高揚を助長しただけでなく、アラブ近隣諸国との交渉も一層困難なものにしました。

歴史的に見て、この決議はイスラエル・パレスチナ紛争における重大な転換点の一つとされています。国際社会におけるイスラエルへの敵意の高まりを象徴する出来事であり、イスラエルと周辺諸国との関係悪化に拍車をかけました。