北米の「文明化五部族」とは
北アメリカの歴史において、「文明化五部族(Five Civilized Tribes)」と呼ばれる先住民族の集団があります。これは、19世紀頃にヨーロッパ系アメリカ人の文化的習慣や社会制度を比較的早く取り入れたとされた、次の5つの部族を指します。
- チェロキー族(Cherokee)
- チカソー族(Chickasaw)
- チョクトー族(Choctaw)
- クリーク族(Creek/マスコギー族)
- セミノール族(Seminole)
これらの部族は、主にアメリカ南東部に居住していましたが、1830年のインディアン移住法(Indian Removal Act)以降、現在のオクラホマ州などへ強制的に移住させられることになりました。
五部族に含まれなかったのは「キカプー族」
上記の5部族に含まれなかったのが、キカプー族(Kickapoo)です。キカプー族もアルゴンキン語族に属する先住民族であり、五大湖周辺から徐々に南下・移動しながら独自の生活様式を守ってきましたが、「文明化五部族」には数えられていません。
「文明化」という呼称の由来と現代での捉え方
そもそも「文明化五部族」という名称は、これらの部族が中央集権的な政治体制、文字の使用、学校教育など、当時のヨーロッパ系アメリカ人社会の基準に近い制度を採用したことが由来とされています。ただし、この呼称は欧米中心の価値観に基づいたものであり、今日ではその偏見的なニュアンスが問題視されることも少なくありません。