北米の歴史

アメリカを第一次世界大戦へ駆り立てたものは何か?「ツィンメルマン電報」事件の全貌

アメリカの参戦を決定づけた「ツィンメルマン電報」とは

アメリカ合衆国が第一次世界大戦に参戦する最大のきっかけとなったのは、1917年に発覚した「ツィンメルマン電報(Zimmermann Telegram)」と呼ばれる秘密外交文書でした。これは、大戦中にドイツ帝国からメキシコへ宛てて送られた極秘の外交通信であり、イギリス情報部によって傍受・解読されたことで、その衝撃的な内容が明るみに出たのです。

電報の内容――ドイツとメキシコの秘密同盟提案

この電報の中でドイツは、メキシコに対して両国間の軍事同盟を結ぶよう提案していました。その条件は、メキシコがアメリカおよびその同盟国へ攻撃を仕掛けること。見返りとしてドイツは、米墨戦争(1846年~1848年)でメキシコが喪失した領土、すなわちテキサス州、ニューメキシコ州、アリゾナ州の返還を約束するというものでした。

世論の激変と参戦への道

電報の内容が公表されると、「自国の裏庭」である西半球へのドイツによる干渉の可能性に、アメリカ国内は怒りの声に包まれました。それまで中立の立場を保っていたアメリカ世論は大きく転換し、ドイツとの戦争に参加すべきだという支持が急速に広まっていきます。
こうしてツィンメルマン電報は、単なる一通の暗号文書でありながら、アメリカを第一次世界大戦へと駆り立てる決定的な要因となったのです。