マサチューセッツ州が奴隷制を廃止した年
マサチューセッツ州は、1783年に奴隷制を廃止しました。これは、後にアメリカ合衆国となる北米植民地の中で最も早い廃止であり、マサチューセッツ州は法的には一度も奴隷制を正式に認めたことがない州として知られています。
実態としての奴隷制(1638年〜1783年)
しかし、法的な承認がなかったとはいえ、実際には1638年から1783年までの約145年間、マサチューセッツ州においても奴隷制が存在していました。この間、多くのアフリカ系の人々や先住民が奴隷として扱われていました。
「ジェニソン事件」と歴史的判決
転機となったのは1783年です。マサチューセッツ州最高裁判所は、「ジェニソン事件(Commonwealth v. Jennison)」と呼ばれる訴訟において、奴隷制は州憲法に違反するという画期的な判断を下しました。
この判断の根拠となったのは、1780年に制定されたマサチューセッツ州憲法です。同憲法は「すべての人は生まれながらにして自由かつ平等である」という理念を掲げており、裁判所はこの条文に照らし合わせて、奴隷制の継続は憲法の精神に反すると結論づけたのです。
歴史的意義
この判決により、マサチューセッツ州は独立戦争後のアメリカにおいて、奴隷制を実質的に終わらせた最初の州となりました。この動きは、その後の北部諸州における奴隷制廃止運動にも大きな影響を与えたとされています。